あの頃は

ネットラジオであなたにフルートを聞いてもらっていた。
離れていても、ネットを繋げればすぐそこにあなたがいた。


曲の最後はカッチーニのアベマリアと決めていた。
あなたは、私の放送時間に合わせて仕事を調整してくれていた。


    






秋の夜は感傷的すぎる。
頬を伝う涙を誰がぬぐってくれるのか。





今の私は

ネットに繋がっていない環境で


下手くそなピアノで


アベマリアを弾きます。



あなたにはもう届かない
そして
2年以上遅れたレクイエムの
アベマリアを
私は弾き続ける。


ピアノの練習のあと
フルートの練習のあと



神様の懐に抱かれているあなたを想って
アベマリアを演奏します。