ヤモリが壁に張り付ける理由

最近、夜になると必ず一匹のヤモリが窓に張り付いている。

まあ、光に誘われてやってくる虫を捕食するのが目的だろうけど、なぜいつも僕の家なんだろうか？
んー。毎回同じヤモリだよなぁ。

ヤモリにも縄張りみたいなものがあるのだろうか？

まあ、それはいいとして、
ヤモリが壁に張り付けるのはファンデルワールス力を使っているからだって知ってました？

そうそう、前に読んだ科学雑誌にこんな記事があったよ。

ナノテクを駆使すれば将来人間もファンデルワールス力で壁に張り付けるとかなんとかだったかと・・・
みんなスパイダーマンになれるね（笑）

えーと、ファンデルワールス力って確か電気双極子モーメント間の相互作用だっけ？

ちょい計算してみよう。

位置エネルギーを求める。
$U(\mathbf{r})=e\varphi (\mathbf{x+\frac{d_1}{2}})-e\varphi (\mathbf{x-\frac{d_1}{2}})\approx e\mathbf{d_1}\cdot \nabla \varphi =-\mathbf{p_1}\cdot \mathbf{E(x)}$

このEは遠くの双極子モーメントが作った電場なので
電場を計算する。
$\mathbf{E(x)}=-\nabla\varphi =\frac{\partial}{\partial\mathbf{d_2}}\mathbf{d_2}\left ( -\nabla\frac{1}{4\pi \varepsilon _0}\frac{e}{r_2} \right )$

$\mathbf{p_2}=e\mathbf{d_2}$ に注意して計算してやると

$\mathbf{E(x)}=\frac{1}{4\pi \varepsilon _0}\left ( \frac{-\mathbf{p_2}}{r_2^3}+\frac{3(\mathbf{p_1\cdot r_2})\mathbf{r_2}}{r_2^5} \right )$

となる。

よって、
$\mathbf{U(r)}=\frac{1}{4\pi \varepsilon _0}\frac{1}{r_2^3}\left ( \mathbf{p_1\cdot p_2}-\frac{3(\mathbf{p_1\cdot r_2})(\mathbf{p_1\cdot r_2})}{r_2^2} \right )$

最終的なU(r)があってるから、たぶんあってるかと。

えーと、この後、量子力学の摂動法を使うと分子間のエネルギーはUの二乗になるので、結局r_2の６乗に反比例するわけですね。
つまり、ファンデルワールス力のポテンシャルはr_2の６乗に反比例するとっても弱い力ですね。

まあ、知ってか知らずかヤモリすごいねぇ。
（知ってたら驚きだが）