名誉毀損罪は、刑法230条。
保護法益は、外部的名誉。外部的名誉とは、社会が与える評価のこと。
法的性格は、抽象的危険犯。抽象的危険犯とは、犯罪の成立に具体的な危険の発生までは要求されておらず、一般的・抽象的危険の発生だけで犯罪の成立(既遂)を認める犯罪のことをいう。
成立要件は、「公然と事実を適示して人の名誉を毀損」すること。
ここで、「公然」、「事実」、「適示」、「人」、「名誉を毀損」について、細かい理解が必要。
「公然」とは、不特定又は多数人が認識しうる状態のことで、伝播性の理論によると、当初は特定少数人に告げるだけでも、そこから伝播することで不特定多数の者が知りうる状態にすれば足りるとする見解が判例。
「事実」は、真実である必要はない。虚偽か真実かは問わないが、人の社会的評価を直接又は間接に低下させる具体的事実でなければならない。
それとは異なり、死者の名誉は、虚偽の事実を摘示しなければ罰せられない。
「摘示」は、示せば良い。他人が知る必要はない。抽象的危険犯。と、判例。
「人」には、法人、権利能力なき社団も含む。一方で、被害者は特定したものであることを要する。たとえば、「東京都民や九州人」だけでは、本罪は不成立。
「名誉を毀損」は、事実を摘示して人の社会的評価の害される危険を生じさせることをいう。他の要件が満たされれば、通常、被害者の名誉は毀損され、既遂に達する。
つづく