連載エッセイ 「へべれけ!コンバット」 みどりの草原の恋 | クオの別世界

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学生時代に書いた初々しい小説、コピーライター時代を語る懐かしいエッセイ、そして文章家として活動する日々の合い間のエッセイや小説を掲載しています。


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正しくは「長野県蓼科高原」ですが、

みどりの原っぱ

であれば、正解といたします。

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われわれの青春物語に、華やかな彩りをそえたのが、他の学校の乙女たちとのたび重なる「合同コンバット」いや間違えた「合同コンパ」だ。「7組のマドンナ」のユミコちゃんやケイコさんの美しさには及ぶべくもないが、合コンの舞台に出現したステキな女性たちは、たちまち恋に飢えた青年たちに「デートの申し込み権をめぐる情け容赦のない争奪戦」を演じさせた。そして、それはまた、数々の悲劇をも生んだのである。

たとえば、高田馬場の「ニューファンタジア」というエコノミーPUBにおける争奪戦で、制限時間ぎりぎりまで粘って食いさがり、なんとか夢のデート権を獲得したMくんの場合は、こうだ。待ち合わせは、日曜日の午後1時に渋谷駅前、との合意をSさんとの間に取り交わしていた。人ごみでも分かりやすいように、「Mくんがハチ公の銅像の尻尾をつかんで待つ」という念の入れようは、すでに70年代後半の日本の首都で起きた「なんとまあとほほ事件」の嵐の前ぶれであったろうか。おのれの青春にやっと訪れた恋愛の好機を、必ずや得点に結びつけてみせる!と意気込んだMくんは、なんと「1日前のリハーサル」という驚くべき行動に出た。代々木上原の四畳半下宿から渋谷へ向かった彼は、まず実際にハチ公像の尻尾に触り、ほのかな恋の温もりを手のひらに感じると、「○時にここの喫茶店で会話。○時にここの映画館でスターウォーズを鑑賞。○時にここの居酒屋で食事とお酒(軽く)。そして○時に渋谷駅で「さわやかな笑顔」をして別れる(もしも可能であれば次のデートの約束を取りつける)。」などと、渋谷界隈を徘徊視察しながらメモ帳に書きつけていったのだ。そして運命の翌日が来た。予定よりも早く12時30分にハチ公像に到ったMくんは、腕時計の針が午後1時を指し示すのと同時に、尻尾をギュッとつかんだ。銅像から伝わってくる温もりは、すでにおのれの体温をはるかに超えている。どきどき。わくわく。胸の高鳴りはもはや抑えがたく、鼻血まで出そうであった。ところが、1時が2時になり、2時が3時になり、3時が4時になっても、Sさんの現れる気配すらなく、Mくんは鼻血の代わりに鼻水を垂らした。ハチ公像の尻尾は、氷のように冷たくなっていた。そしてついに、午後4時10分。ドタキャンされたことにようやく気づいた彼は、尻尾から静かに手を離し、うなだれたまま下宿への帰途についたのであった。もしもあの時代に、ケータイという文明の利器があったなら、Sさんからの「ごめんなさい」のメール1本が、彼が尻尾を握り続けた4時間という残酷な時の長さを、きっと短縮してくれたであろうに。

さて、前置きが長すぎましたが、どうですか、この「さわやかな2人」。われわれの時代の男女交際なんて、だいたいこんな感じの、素朴で牧歌的なものでしたよ。「3ピコ」という例外はあるにせよ。

はい、正解者の発表です。(回答〆切29日19時とさせていただきました)

まひるさん(いつも当てるなあ。)ハナミヅキさん(「みどりどす」のヒントを生かしましたね。)ナッチさん(新宿御苑は、みどりですからね。) のりさん(競馬場も、みどりですもんね。)みほさん(たしかに2人は、このあとレモンスカッシュ飲みました。)りゅうさん(海辺も、なんとなく、みどり的ですから。)☆BAYSTARS☆さん(想い出の一枚! まさにその通りです。)チョンチーさん(たしかに、なんやそれぇ!のヒントでしたものね。)
SAKURAKOさん(アンサーを楽しみにしてくださってありがとう。)

と、いうことで、なんと全員正解!(なにも景品でませんが)ちょっと易しすぎたみたいですね。では、今回は、とびきり難しいやつを。もしも当てたら、あなたは「恋愛名人」!
(QUIZ)
この「さわやかなデート」の誘いにOKをもらったヒロシは、嬉しさのあまり大学の3号館の階段の踊り場で、ある「奇妙なふるまい」をしてしまいました。誰も見てないと思ってたのでしょうが、たまたま階段を降りてきたユミコちゃんがこれを目撃し、たまたま珍しく学校に来ていたクオヒコに「ヒロシくんの得意は、バレーじゃなくてバレエだったの?」と訊いたのでした。いったい、ヒロシくんは、何をやっちゃったのだろうね? 出てこい、恋愛名人!




へべれけ!コンバット

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この中に、Mくんがいます。クイズではないので、探さないでね。