「あかりちゃん、今午前3時よ」
 美紀が夜中に帰ってきたあかりを心配して声をかけた。
「あんたには関係ないでしょう」
 初めて見せる反抗的な態度である。
「あれほど三人で精一杯生きて行こうと誓ったのに」
 勇次も心配して口をはさむ。
「自分達だけで調子よくやって、人の事をガタガタ言わないでよ」
 あかりは荒れている。
あの大震災による父親の死、母親の態度の豹変が相当に堪えているのだ。心のよりどころがないのだ。
 腹の底の底で美紀の存在も関係してるのかもしれない。