大雨が降るにもかかわらず、あの街の音楽家モンティーミヨシが広島県安芸郡坂町平成ケ浜で若者に弾き語りを聞かせていた。
「聞こえるか 磐梯山の 雄叫びが!」
 題名を見事な575で表して、若者に福島および東北各県の復興の重要性を訴えていた。
「聞こえるか 磐梯山の 雄叫びが 悲痛な叫びが聞こえるか」
 モンティーの即興の詩には説得力があった。
勇次と美紀とあかりはこぼれ落ちる涙を拭おうともせず黙って聞いていた。
 美紀が自分に言い聞かすように、
「日本全土の人に、磐梯山の雄叫びを聞いてもらう必要がある」
 と言うと、
勇次とあかりが頷くのだった。