「こがいなくそ暑い時にいや熱い時にワラワラ言うなや。あっちに行くけえや」

 高志は昼間から言い寄ってくる四十くらいの女性にこう言った。

「遊んでえや、うちと一緒に」

 女性は食いさがる。

「あんたあ、昼間から売春しよるんか」

「違うわいね」

「ほいじゃあなんない」

「うちゃあ、あんたの愛が欲しいんよ」

「笑わすなや」

 押し問答が続いた。

「いつもそうやって男をだますんか」

「何言いよるん」

 広島の京橋川のほとりのベンチで押し問答が続く。