昭和三十九年、旧広島市民球場の雰囲気を一変さす選手がカープに入団してきた。

「沖縄の星、安仁屋宗八選手」

 である。

それまでの旧広島市民球場は地元の私がどうひいき目に見ても柄が良いとは言えなかった。

 いや、

「日本の球場で有数の柄の悪さ」

 と言った方が正解かもしれない。

そんな中、安仁屋選手が出場するたびに女性ファンが多くなり、旧広島市民球場は多くの女性ファンで埋め尽くされたのだ。

 各テレビ局の解説者が、

「広島市民球場は女性ファンが多いですねえ」

 とびっくりしていた。

旧広島市民球場は全国でも有数の、

「女性ファンが多い球場」

 として有名になったのだ。

ちなみに安仁屋投手の男っぷりは、

「エキゾチックなイケメン男」

 だった。