私が小学校に入学した昭和三十五年頃には、広島カープは貧乏を脱出して少しはプロ野球らしくなっていたが、

「相変わらずの強さだった」

 ただジャイアンツとはいい勝負をしてくれていた。相変わらず、

「ちっちゃな大投手長谷川選手ががんばっていた」

 ジャイアンツ戦で広島県呉市出身の広岡達朗選手を見た時、

「なんで広島県出身なのにカープに入団しないんだろう」

 と腹がたった。

それほど素晴らしい選手だったのだ。

 父親に、

「なんでカープに入らないの」

 と尋ねると、

「入るわけないだろう」

 と一喝されてしまった。

でもカープの試合を見る時って、楽しかったなあ。すばらしい思いが数多くある。