新宿の繁華街にその日仕入れた魚によってダシが変わるラーメン屋がある。
麺屋 海神。
かのラーメン王,石神秀幸が経営難に苦しむラーメン屋の再建に取り組んだお店。
プロデュースした味は,あら炊きラーメン。
その名の通り,魚のあらからダシを取る。
彼が今年はやると宣言している「鮮魚系」のはしりなんでしょうね。
当初は池袋にオープンし,新宿に移転してきた。
冒頭にも書いた,その日仕入れた魚は店内に大きく張り出される。
この日のあらは,鱈,金目鯛,ヒラメ,マダイ,鮭。
まあそんなに細かい味はわからないと思うけれど,こう書かれると迫力あるよね。
出てくるラーメンは,さすがに透き通ったスープ。
すまし汁を思わせる,人によっては薄味とも思えるラーメン。
この繊細なスープにショウガやみょうがを乗せるのはどうかと思うけど,あらかじめ言えばはずしてもらえるようです。
細めの麺はちょっとからんでしまう。
味的にももっといい麺があるような,今後の課題でしょうか。
チャーシューの代わりに,鶏とエビのつくねが入るのも特徴的です。
さて,これだけで終わらないのが海神のラーメン。
むしろここからが本番というべきか。
トッピングされたこのおにぎり。
へしこを練りこんだそれは,間違ってもラーメンを食べながらつまんではいけない。
そう,これはラーメンを食べ終わったスープに投入して雑炊にしていただくもの。
すると,白身魚の出汁が出たスープと,へしこの味わいが重なって素晴らしい雑炊に変身する。
まさに魚介の味のハーモニー。
気づけばスープとともに完食してしまう。
食後のスープにライスの投入を薦めるお店は何店舗かあるけれど,魚介風味のマッチングという点で
一歩抜きんでたお店といえる。
新宿で飲んだ後,締めのお茶漬け代わりに食べに来てもいいでしょうね。
海神
東京都新宿区3-35-7さんらくビル2F
11:00~23:00
無休
予算:850円くらい
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