ネコを飼う以上、家の柱や壁がいたむ
覚悟をしておいたあほうがいいでしょう。彼らの
爪とぎという習性を、やめさせる
ことは、できないからです。
ネコが、気持ちよさそうに寝ていたと
思ったら、起きた途端に伸びをして、やおら
立ち上がると、柱に爪を立てる、という光景を
よく見ます。
また、飼い主に叱られたあろ、
「ふ~ん」
といったそぶりで、歩き去り、
急に壁に向かってガリガリと爪をとぎはじめる
こと
もあるでしょう。
時には、立ち上がって、
壁などにする爪とぎばかりでなく、届いたばかりの
宅配便の箱に飛び乗り、それをひっかく
こともあります。
一般に、ネコの爪とぎは、爪の表面を覆っている
サヤが古くなったとき、それをはがす
ためにおこなうといわれています。
ネコの爪は、伸びてくると、ちょうど鉱物の雲母片
がはがれるように、表面の薄い膜が
取れていくのです。ネコは、それをきれいに
取り除こうとして、このようなしぐさをするのだと
考えられています。
また、爪はネコにとって狩猟時代、
なくてはならない武器でした。そのため、
いつでもとがらせておく必要があったため、
といでいるといった意味もあるでしょう。
このはか、ただ退屈しているときの
気晴らしのためであったり、興奮したり
ストレスが、たまったりしたときの、
”転位行動”
としての、爪とぎをします。
できるだけ、ネコの相手に
なってあげるようにすると、
爪とぎの回数を減らせられるでしょう。
「ネコネコアザラク」
さらに、宅配されるダンボールの箱に
爪とぎをするのは、自分のテリトリーを
確認するためのマーキング行為とも
考えられます。
このように、爪とぎには、マーキングの
意味もあるため、室内で爪とぎをする場所は
だいたい決まっています。
そこに、専用の爪とぎ器を置いておき、
使わせるようにしつければ、
爪とぎの被害は減らせます。
設置する際は、
何度も場所を移動させると、ネコが戸惑い、
もとに置かれていた場所をカリカリ
する場合がありますので、むやみに、
変えないのが、鉄則です。
「ネコネコアザラシ」
そして、ボロボロになる前に、
取り替えること。
古くなると、ネコはいやがり、
やはり、別の場所で、
爪とぎをしてしまいます...。
備考:この内容は、
2020--11-10
発行:扶桑社
著者:ネコとの暮らしを楽しむ会
「ネコの気持ちが
おもしろいほどわかる本」
より紹介しました。