従来型とワインディングで比較試乗
2022年後半に登場し、スーパー耐久に参戦するなど、
”鍛えること”を
続けてきたGRカローラ。
GRヤリスと同じく、モータースポーツで得た知見は
当然、市販車にフィードバックされる。
果たしてGRカローラの走りは
どう進化したのか!?
改良前のモデルと乗り比べで、
その実力を検証した。
(試乗&リポート:橋本洋平)
【リアの安定感を高めた進化型
従来型の機敏な動きも悪くない】
GRカローラにも、GRヤリスの
ように「進化型」が登場した。
変更内容は、多岐にわたり、パワー
トレインから四駆システム、さらには
シャーシ、そしてヤリスには
なかったABSの変更まで、行われた
ところがポイントとなる。
まず、エンジンは、スタビライザーと
ダンパー減衰力をダウン。逆に
スプリングレートを高く設定。
スプリングの仕事分担率を8%ほど多く
したとのこと。
スプリングは、自由長を
合わせるために、2ステージ化
している。
また、FFカローラ用の
ブラケットを用いることで、リヤ
トレーリングアームの回転中心を
30mm引き上げてアンチスクワット
を強化。
リヤの沈み込みを減らす
ことで、アクセルオン時のフロント
の加重抜けを減少させた。
その影響で、ロール時にトーインが
キツくなる方向になるが、ロアアーム
のフロント側の取り付け点を5mm
引き上げることで、その動きを
キャンセル。
ANA位置の加工を変更
することで、対処したという。
既存のパーツや
加工方向を変更するという、
かなり地道な努力を行った
ところがポイントと言えるだろう。
さらに、細かなところでは、
ステアリングコラムボルトは、
ワッシャー径を、φ20からφ22mmの溝付きに。
フロントロアアームと
ナックルを
取り付けるボルトフランジには
リブを追加。
リヤショックアブソーバーと
ボディの取り付け点
ボルトのフランジの厚みを2.1mmから
3.1mmに拡大している。
四駆システムのGR-FOURは、
TRACモードを50:50の
固定から60:40~30:70になる
可変モードに変更。
GRAVELは、
50:50。30:70のREARは
廃止された。
ABSは、上下センサーを使う
ことで、タイヤの設置が失われた
際でも、ブレーキの減圧を
減圧しないように変更。
これまでは
ジャンプしそうな状況において、ABSが
介入して制動距離が伸びてしまって
いたところを改善したという。
そんな新旧GRカローラを、
ワインディングで比較試乗した...。
備考:この内容は、
令和7-5-26
発行:交通タイムス社
「CARトップ」
より紹介しました。