膝に肘をつき、拳をアゴの下に当てて、
何やら考えている様子の、ロダンの有名な彫刻
「考える人」。
彼が、何について考えているのか
疑問に思ったことはありませんか?
じつは、彫刻の彼は「考えている」のではなく
「見ている」のです。
元々、この彫刻は、
詩人ダンテの作品「神話」を
モチーフに制作した
「地獄の門」という巨大な彫刻作品のほんの
一部にしかすぎません。
彫刻の彼自身は、特に名前はなく、「考える人」
という名前も、第3者が、勝手に付けた名称
とされています。
「地獄の門」は、高さ約6m、
幅約4mの円形で、そこに罪人たちが落ちていく
様子が表現されています。
彼は、門の上に座り込み、
罪を犯した人間たちの運命を観察
しているという説が有力なようです。
つまり、「考える人」
というよりは、
「観察する人」のほうが
正しいと言えるでしょう...。
備考:この内容は、
2025-5-12
発行:彩図社
著者:曽根翔太
「知識の博覧会」
より紹介しました。