野生の、「アナウサギ」の毛色は、一種類
しかありません。茶褐色の毛色です。
こうした種本来の姿を「野生型」といいます。
野生型は、もともと敵に、見つかりにくい保護色。
野生でも、突然変異で、真っ白や、真っ黒の個体が生まれる
ことはありますが、それらは、野生の中では
敵に見つけられやすく、
生き残りにくいのです。
ペットのうさぎに、いろんな色があるのは、
敵に捕食されることがないから。
イギリスやオーストラリアでは、
飼育されていた「カイウサギ」が
野に放たれ野生化していますが、
定着したのは、
野生型のうさぎだけです。
さて、ウサギ類の多くは、耳先に黒い毛を
もっています。冬には、真っ白に毛換わりする
ユキウサギでさえ、耳先は黒い毛をしています。
これは、「標識色」といって、同種どうしが
お互いを見分けるための目印。
「カイウサギ」には、
いろんな毛色がありますが、白黒や茶白の
ぶちなど、2色以上の毛色のうさぎの耳が
たいてい濃い色をしているのは、耳には
濃い色がつきやすいからです。
耳は白いのに、体は濃い色と
いううさぎは、存在しないのです。
【うさぎのほんね】
耳は濃い色がつきやすい部分。
野生のアナウサギも、
耳先は、濃い色をしているよ...。
備考:この内容は、
2021-10-5
発行:西東社
監修:今泉忠明
著者:倉田けい
「うさほん・
うさぎのほんねがわかる本」
より紹介しました。