『熱中時代』 日本テレビ
期間:1978(昭和53)年10月~1979(昭和54)年3月(第1シリーズ)
曜日/時間:金曜/21:00~21:54(第1シリーズ)
主な出演:水谷豊、船越英二、志穂美悦子、
音無美紀子、島村佳江、山口崇など
伝説の最終回は、視聴率40%超え!
熱中先生と愛すべき人々の物語
「傷だらけの天使」で、人気を得てからの水谷豊は、
ドラマ「夜明けの刑事」「男たちの旅路」、映画
「青春の〇人者」に出演するなど、ナイーブだが、直情怪行な
青年役が続いた。
その後、1978(昭和53)年7月
には、日本テレビ系の土曜グランド劇場枠「オレの
愛妻物語」で、妻役の大竹しのぶとともに、主演を務める。
ここで、水谷豊が演じたコミカルかつ交漢のキャラクターが、
さらに開花するのが「熱中時代」である。それまで学校を
舞台にしたドラマは、中学校と高校がほとんどで、
小学校を舞台とした本作は当時としては珍しかった。
水谷豊扮する北野広大は、アルバイトをしながら
教員採用を待っていたところ、欠員ができた若葉台
小学校に中途採用され、3年4組の担任になる。
北海道出身という設定で、方言が混ざったしゃべり方が親しみ
やすく、ドラマの人気が上昇するとともに、
モノマネの対象にもなった。
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教師たちを、自宅に下宿させて面倒を見ている校長
天木順三郎(船越英二)は、広大の最大の理解者。
その妻綾子を草笛美津子
その長男で反抗期の育民は、太川陽介が
演じた。
校長宅に下宿しているのは、運動神経
に優れている小糸桃子(志穂美悦子)、5年生の担任・
花井恵子(音無美奈子)m若葉台小学校勤務ではない
教師に魚津早苗(島村佳江)、綾子の弟で、中学校教師・矢代徹
(山口崇)といった顔ぶれ。
その周辺には、近所の
派出所の巡査・小宮(谷隼人)、女優を目指して上京し、
劇団「蜘蛛の巣」が運営している喫茶店で、バイトする
広大の妹・青空(池上季実子)などが登場した。
時に、家庭の事情にも気にかけつつ、徹底的に子どもたちに
寄り添った指導を行う広大。それに対して
府警からの反発も起こるが、後代の熱い姿勢を前にやがて
受け入れられていく、何事にも熱中して一生懸命な
広大の成長を描きながら、天城校長と育民の親子問題
などホームドラマ、後代と桃子の淡い恋愛模様と
いった要素も描かれた。
広大の授業で特に秀逸だったのは、挙手の仕方。
質問に対して児童全員が手をあげられるように、自信を
もって答えられる子は、じゃんけんのパー、合っている
かどうか自信のない子はチョキ、答えがわからない子は
グーを、それぞれ挙げさせた。
当時、この”グーチョキ
パー挙手”をマネするクラスが続出したという。
開始当初10%台だった視聴率は、20%、30%台と
上昇、最終回は、40%を超えを記録した。
そのラストは
次のような展開だ。
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終業式を控えた3月のある日、酪農をしている兄・
大河(犬塚弘)が、落馬して大けが。今後2年間は車いす
で暮らすという報せを受けた広大。
兄に代わって牛や
馬の世話をするために退職、小樽への帰郷を決意する。
最後の授業で、子供たちに説明しながら。別れを
切り出す広大。
子供たちの叫び、引き留める声に
対し、広大自信も泣きながら「ごめん!」と謝る。
黒板に書いた「さようなら」を言い合う光景は涙を禁じ得ない。
想いを寄せる桃子に「好きだ」の一言がいえない
もどかしさも印象的な結末だった。
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1979(昭和54)年に「熱中時代・平時編」
を終えた水谷豊は、1980(昭和50)年4月放送の
「木曜ゴールデンドラマ」第1作目「熱中時代スペシャル
水谷教授の華麗な冒険」を経て、同年7月から放送の
「熱中時代」教師編の正式な続編に北野広大役で復帰。
ドラマは他校に赴任した天城校長が若葉台小学校に
戻り、北海道の礼文島まで広大を訪ねる展開から
スタート。同僚となる教師たちが一新されたほか、かつての
教え子たちは、5年生に進級して登場した。
「熱中時代」の主題歌は、第1シリーズが、
ドラマにゲスト出演もした
子役の原田潤が歌う
「ぼくの先生はフィーバー」。
第2シリーズは、前年に「カリフォルニア
コネクション」が大ヒットしたことを受けて、主演の
水谷豊本人が歌う「やさしさ紙芝居」となった。
北野航大が、
帰ってきた!
と思わせてくれるイントロのセリフが
最高だ...。
(文:高島幹雄)
備考:この内容は、
2022-1-25
発行:辰巳出版
「タツミムック・
日本懐かしテレビ大全」
より紹介しました。