
商店街の旅行で、タイのプーケット島へでかけた御一行、
空港からの盛り上がりは、なかなかのもので、機内では、
さっそく宴会となった。

酒については一見識あるオジさんが、
ズラリそろっている中、
日本酒を愛する1人が、
「本当の酒飲みは、塩を肴に飲むもんだ」
と、意見を述べて、持ち込んだ荒塩をなめると、
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「モネの絵画」
我も我もと マネをして
「う~ん、酒には塩が一番だ」などと、
いいながら、みんないい機嫌に...。

ところが、通りがかった金髪のスチュワーデスが、
彼らの手元をひょいと覗き込むと、
顔色を変えてパーサーを
連れて来るではないか!
パーサーは、御一行を睨みつけて
なにやら英語で叫んでいる。
「な、なに言ってんだ、こいつら!?」
あいにくツアコンは、同乗していない。
乗客の1人に通訳してもらうと、
荒塩の結晶を見たスチュワーデスが、
その白い粒を麻薬と勘違いしたらしいのである。
すっかり、素面に戻ってしまったオジさんたち。

「この飛行機会社は、酒のつまみにまで、文句をつけるのか!?」
と、息巻いてみたが、ほかの乗客たちもやかましい一行を、
迷惑がっていたため、誰も相手にしてくれなかった...。


備考:この内容は、
1994-15
発行:河出書房新社
著者:ユーモア人間倶楽部
企画・編集:夢の設計社
「旅の大ドジ編
世にも恥ずかしい人々2」
より紹介しました。
