クリスマスはプレゼントの時期。
なにもサンタを、わずらわさなくてもいい。
直接に手渡すのだって、たくさんある。
デパートの売り場で、女性へのプレゼントの
品をたくさん買い込む紳士。
「まったく、クリスマスとは、われわれドンファンにとって、
競争の最も激烈な季節でね」と、ぼやく。
プレイボーイとして、どの程度かの格は、
クリスマスの過ごし方で、
決まってしまうわけであろう。
大きな木馬が、彼女の部屋へプレゼント
として運ばれてくる。その夜、木馬のなかから
青年が現れるという作戦の漫画があった。
トロイの木馬の故事も、こう活用できれば、
歴史を学んだかいが、あるというものだ。
坊やにロケットの模型組み立てセットを
買ってやった父親。自分で組み立てるはめに
なり、
「こんなプレゼントを、選ばなければよかった」
女性から、男性へのプレゼント。
「あなたが、あたしから、何を期待しているか知ってるけど、
そうはいかないの。ネクタイで我慢してね」
両親から、グラマー美人型のロボットをもらい、
大喜びしている青年。
「パパとママは、ほんとに物わかりがいい」と、大はしゃぎ。
喜ぶ当人も、そんなのを与える両親も、
いささか異様である。
クリスマスは、チップの季節でもあるらしい
アパートの守衛だけの、エレベーター係
などに、チップをやる風習が外国にはあり
その漫画もいくつかあるが、私たちには
ぴんとこない。
2号さんマンションの
ごときところで、
彼女たちに○体で支払われ
ねをあげている男と、
いったたぐの図である。
会社のクリスマス・パーティーの
未来図。社長とコンピューターがツリーを
飾ってパーティー。コンピューターがライトを
点滅させ、人工の声で聖歌をつぶやく。
ドライなわびしさである。
亭主が婦人からクリスマス・
プレゼントをもらい、大喜び。
「ありがたい、前からずっとほしかった、ただ一つの物だ」
と感謝の極致。
その品とは何か...?
離婚承諾書
スリルに満ちたクリスマス。
大統領が壁を指さし、
「こっちのボタンを押すと、
ホワイトハウスの前の、大きなツリーにいっせいに
電気がともる。
こっちのボタンは、○ミサイルを
いっせいに発射するやつだ。
似ているから、間違えないようにしてくれ」
精神分析医に「時々、自分がサンタ
だとの妄想にとらわれ、皆に、気前よく
物をばらまいちゃうんです。」
と訴えている、男。
こういう人がいれば、サンタ現象も
起こりうるのだ。
街頭でクリスマス・キャロルを合唱していると、
天使が現れてラッパを吹く。
男の1人が、ふりあおぎ、「こぞう、
うるさいぞ。へたくそな伴奏をするな!」
教会が、庭の木をツリー用に、売り飛ばして
いるなんて図は、まさに世も末である。
中には、クリスマスに無関係なのも
いることはいる。街頭で、酔っ払いに話かけられた
アラブ人の旅行者
「クリスマスなんて知らん。
ハッピー・ニューイヤー
といったって、われわれの暦では、新年は、まだまだ先だ」
宗教と無関係に
サンタが空飛ぶ
ジュウタンに乗ってやってくればいいわけか...?
サンタが実在するとすれば、クリスマス
以外の日は、何をやっているのだろう
夏の海岸で、かっぷくのいい白いヒゲの、
にこやかな男を見て、若い女性たち
「あの人、
たしかよく知ってる有名人のはずなんだけど、
どうしても思い出せないわ」
と困っている。海水パンツにサングラスでは、
サンタとは気がつかない。
魔女が、サンタをホウキの後ろに乗せ、
「おもしろいでしょ? あんたもトナカイの
ソリばかりに乗ってないで、レジャーは
ホウキで楽しむようになさいよ!」
とすすめる。
ホウキに、またがったサンタというのも、
変な格好だ。
世界中で、クリスマスを絶対に
楽しめない唯一の女性。
それは、サンタクロースの婦人であろう。
とんでもない男と
いっしょになっちゃった。
だから、時には亭主に
こうも言いたく鳴るだろう。
「買い置きの材料が、なくなったので、
今日の夕食は、
トナカイのステーキにしたわよ...」
備考:この内容は、
令和3-12-30
発行:新潮社
著者:星新一
「進化した猿たち」
より紹介しました。
(筆者の感想)
オードリーしたなあ、もう!
ホーム・アローンの
少年には、冗談きついよ。
貞子は、
大丈夫です。
きゃは!
ランボーな、結末ね!
もとい、ランボーな感想ね!
きゃは!
ちょっと、
Qちゃん、
私の出番が、
ほとんど、ないじゃないの!