星新一「火の用心」... | Q太郎のブログ

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生成されたAi 鳥 ロボット - Pixabayの無料画像

 

 

学者のエヌ博士は、助手の青年を呼んで、

 

こう話しかけた。

 

 

 

「きみもそろそろ、なにか珍しい物を

発明していいころだと思うがね?」 ニヒヒ

 

 

 

「はい。じつは、いま、ご報告しようと

 

思っていたところです。」

 

 

 

 

「おや? 何か、作ったというわけだね?」 ウインク

 

 

 

「ええ、これです。ロボットの鳥ですよ」

 

 

 

と、青年は、手にしていた鳥を見せた、

 

カラスぐらいの大きさだった。博士は、

 

それをながめながら聞いた。

 

 

 

「うまく飛ぶのかね?」 真顔

 

 

 

「もちろんです。しかも、ただ飛ぶ

 

だけではありません。よくご覧に

 

なってください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1126回 鳥を見て飛行機を思いついた人|翆野 大地

 

 

 青年は鳥の、頭についているボタンを押した。

 

ロボットの鳥は、羽ばたきをし、

 

部屋の中を飛び回り始めた。

 

 

 

 

 

そして、

 

「火の用心、火の用心~」と、さえずる。また、

 

口をパクパクやると、カチカチという

 

拍子木の音を立てた。それを見て、

 

博士は、腕組みををした。

 

 

 

 

 

「妙なモノを、作ったな。しかし、

まあ少しは、役に立つかもしれないな?」 ウインク

 

 

 

「いえ、少しではありません。

 

この鳥は、火事を発見すると、

 

大声で叫びます。また、その場所を、

 

電波で、知らせてくれます」

 

 

 

「そうか、そうなると、大発明だ。

たくさん作って飛ばせば、火事になる災害を、

ぐんと減らすことができるわけだ。よくやった!」 ポーン

 

 

 

博士は、青年を褒め、感心しながら

 

タバコに火をつけた。そのとたん、ロボット鳥は、

 

そばへ飛んできて、

 

「火事だ~、火事だ~!」と叫んだ。

 

 

 

 

 

同時に、青年の持ってた装置は、

 

ガーガーと、音を立て始めた。博士は、

 

あわてて、タバコを投げ捨てた。 タバコ

 

 

 

「性能の確かなことは、よくわかった。

だが、これでは困る。もっと改良しなさい!」 笑い泣き

 

 

 

「そうします...」

 

 

 

青年は、引き下がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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何日か、経って...、

 

青年はまた、持って来た。

 

 

 

「今度は、大丈夫です。小さな火には、

 

反応しないように、改良しましたから」

 

 

 

「では、見せてもらおう」 ニヤニヤ

 

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超絶リアルに羽ばたく鳥型ロボット「BionicSwift」が登場、実際 ...

 

 

青年は部屋の窓を開け、

 

鳥のボタンを押した。

 

しかし、鳥は窓から出てゆこうと

 

せず、部屋の隅へ飛んで行って

 

「火事だ~!」と叫んだ。

 

 

 

 

 

そこには、今日から付けはじめた

 

暖房装置があった。博士は笑って言った。

 

 

 

「まだ、実用には、無理なようだね!?」 ウインク

 

 

 

 

 

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さらに、何日か経った...。

 

ある夜、博士は、眠っているところを起こされた。

 

目をこすって相手を見ると、助手であり、

 

時計をのぞくと、午前4時だった。

 

 

 

 

 

「どうしたんだ! こんな時間に?」 ムキー

 

 

 

「一刻も早くお知らせしようと思ったからです。

 

今度こそ、本当に完成しました。

 

よく、教え込んだのです。火事とは、

 

しだいに熱さを増していくものだと。これなら、

 

暖房があっても 騒ぎません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぴよぴよ。小鳥用のゴーグルができたよー | ギズモード・ジャパン

 

 

今度は、鳥も、開けた窓から飛び出していった。

 

 

 

「火の用心~、カチ、カチ!」という音が

 

遠ざかって行った。

 

 

 

しばらくすると、青年の手にある

 

受信装置が、ガーガーと、

 

鳴り始めた。

 

 

 

「ほら、どこかで火事を、

 

見つけました」

 

 

 

 

 

しかし、装置を調べると、鳥は、どんどん

 

飛び続けていることがわかった。

 

遠くに火事を発見して、それに向かっているのかも

 

しれない。

 

 

 

 

 

その方角に当たる消防署に電話をかけ、

 

聞いてみた。しかし、どこにも火事はない

という返事だった。

 

青年は、不思議がった。

 

 

 

「どういうことなのだろう?

 

今度こそ、

 

成功だと、思ったのに...」

 

 

 

 

 

そのうち、博士は、ヒザを叩いて言った。

 

 


 

 

 

 

 

 

GIFアニメのページ

 

 

 

「わかったぞ! この飛び方を見ると、

昇ってきた太陽を目指しいるらしい。

昇るにつれて、暖かくなるからな。

この調子だと、戻って来ないかもしれないぞ...!」 ポーン チーン セキセイインコ青

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

令和3-4-30

発行:KADOKAWA

著者:星新一

「きまぐれロボット」

より紹介しました。セキセイインコ黄