「エクソシスト」(73)
70年代オカルト映画ブームの火蓋を
切った名作に”真正の続編”が誕生!...
【エクソシスト 信じる者」 2023年 アメリカ】
「エクソシスト」(73)
数あるホラー映画最恐ランキングで、必ずといってよい
ほど、トップに輝く名作「エクソシスト」(73)の新章第1弾
である。リブートではない。真正の続編。
「エクソシスト」(73)
これまで「エクソシスト」フランチャイズは、
本家に続く
「エクソシスト 2」(77)と、
「エクソシスト 3」(90)、
、
「エクソシスト・ビギニング」(04)、
「エクソシスト・ドミニオン」(05)
の全5作。
他に、TVドラマシリーズ(16-17)もある。
類似作品<エクソシズム>
ものも多く、おかげでいまや、
物語は定型化されている。
平凡な市民が悪魔に憑依される 現代医学(科学)が
役にたたないので、魔術(宗教)にすがる。
エクソシスト登場
憑依された家族の苦悩と
神父の信仰のゆらぎ
悪魔との壮絶な戦い
悪霊退散(退治されることはない)。
「エクソシスト 信じる者」(2023)
そんな中、冒頭で記したように”真正の続編”と
謳われている本作。何しろ、本家で悪魔に憑依された少女
リーガン(リンダ・ブレア」の母親クリスが、悪魔祓いの助言者
として登場する。
演じるエレン・バースティンは、撮影時89歳!
もちろん、過去作へのリスペクトも散見される。
イースター・エッグ探しも、本作の楽しみの1つだ。たとえば、
冒頭シーンでいきなり、2匹の犬がケンカを始めるとか...。
「エクソシスト 信じる者」(2023)
オリジナル公開から、半世紀が過ぎ、さすがに時代は
変わったと思わずにはいられない。これまでは悪魔祓いは
カトリックの神父が専らだったが、本作では、多様性を反映し、
プロテスタントの牧師や、ブードゥー教のヒーラーなど
が加わる。
「エクソシスト 信じる者」(2023)
いわば、除霊アベンジャーズだ。しかも本家の
悪霊は、古代メソポタミアのパズズだったが、今回は
ラマシュトゥらしい。妻が悪霊...最恐なのは
当然だろう。
...
といった冗談はさておき、ネタバレ厳禁なので、
本作を貫く恐怖を一言だけ。
「ソフィーの選択」である。
そういえば、スティーヴン・キングのオリジナルTVドラマ
「悪魔の嵐」(99)もそれだった。ともあれ、新生「ハロウィン」
3部作で見事にそのシリーズを復活させた俊英デイヴィッド・
ゴードン・グリーン監督による新章「エクソシスト」は
見どころ満載である。
(風間賢ニ:幻想文学研究・翻訳家)
備考:この内容は、
令和5-12-20
発行:キネマ旬報
より紹介しました。
きゃ~、
見ないで!
きゃは!
ちょっと、Qちゃん、
楽屋は、関係者以外、
立ち入り禁止なのよ!
せっかくのホラー作品なのに、
ぶち壊しじゃないの!