【仮面ライダーの空中線...!】
圧倒的な体重差を前に、戦う前から
仮面ライダーの不利が明らかである。
この状況下、ライダーは、
どうやって戦うのか!?
戦いの具体像を、あくまでも
科学的にシミュレーションしてみよう...。
組み合ったら、敗北必至の仮面ライダー
としては、得意のジャンプ力を活かした
空中戦に出るだろう。あちらと思えば
またこちら、バッタのような早技で
ウルトラマンを撹乱。
好きを見つけて、必●技
ライダーキックに賭ける、という
戦法になるはずだ。
意を決し、「とうっ!」とジャンプする
仮面ライダー。バッタの脚力を活かした
ジャンプ力で、高度25mまで跳び上がる。
地上のウルトラマンは、これに呆然と
するばかり...
と思いきや、科学的に
考えれば、ウルトラマンも「シュワ~ッチ!」
と、ジャンプするだろう。そして、ぐんぐん
高度を上げ、ついには、仮面ライダーを
抜き去って、なんと高度36mにまで
達するはず。驚き慌てる仮面ライダー...!
ウルトラマンに、こんなことが可能と
推測されるのは、そのジャンプ力が
800mと設定されているからだ。もちろん、
これは身長40mのときの跳躍力。だが、
先に仮定したように、力が体重に比例するなら、
ジャンプ出来る高さは、身長に
比例するはずだ。すると、
等身大でのジャンプ力は、36mとなる!
得意のジャンプ力でも、劣勢に立たされた
仮面ライダーであるが、諦める
ことはない。高度25mまでジャンプできる
脚力があれば、時速150kmで走れる
はずなのだ。
「しん・ウルトラマン」
これに対して、身長40mで
時速450kmの速度で走るウルトラマンが、
身長180cmになった場合を計算すると、
時速95km。この速度を利用して
逃げ回り、3分間経つのを待つのだ。正義の
仮面ライダーとしては、不本意な戦い方
だろうが、屈辱の3分間さえ凌げば、勝利は
わが手に転がり込む!
さあ、そうこうしているうちに、
3分経過!
ウルトラマンは倒れるか、
消えるか、人間の姿に戻るか...?
と期待していたら、
ややっ!? ウルトラマンの
姿は変わらない! 相変わらず銀色の
ポーカーフェイスで、仮面ライダーに
対峙している。
これは、いったいどういうことか!?
えっ!
どゆこと?
備考:この内容は、
2016-12-2
発行:KADOKAWA
著者:柳田理科雄
「空想科学読本 14」
より紹介しました。