
「へぇ~、ここかぁ...」
それで、石野さんが、
「また、ちょっと、いいですか?」
と、言って、今、来た坂を
戻るんですね。
す~と歩いて行くとハス池の対岸に出て、
ちょうどアパートの裏側が、
見えるんですよ。
![怪しいアパートの写真・画像素材[923958]-Snapmart(スナップ ...](https://msp.c.yimg.jp/images/v2/FUTi93tXq405grZVGgDqGy8KbCPV2TSezKqzfz8qArGdEcSj19PBX1cLRUpo9pfRcBEnbrQxc2zAf3x1X7e1FYSFWdAOSrnJ_OGIaTHsKHwmSEsTF1b-5gEjFzBagMonu3ycFApWwWiYg39bk0ZUokgZfkNbuiHrbdJeAeF6ChSMEFK9rj0Y7LLyCqdJczYeXGj0Z3M2WZIW-mJveG3_f1YGFhH6RqTC_q1eFRk5JI0vr_6r-P8iXrCWNWBivuitTsC8UZ8nMI1rseQ4vDNj9ULFti8AYsotCnIhD2k-6qF8xqfZT1JSo1AI_FLQG2gArw7JyehLhY33CaZqGLB8Vw==/mp_20171218-180003456_rut83.jpg)
よ~く、見ると、
なんと、3階建てだったんですよ。
石野さんの部屋の下に、
もう1つ部屋があるんですよ。
面白い造りになっているんですよ。
崖の上に建っているのではなく、
崖に張り付くように、
建っているんですよね。
ですから、坂道を登って来ると、
2階建てに見えてた、このアパートが、
もう1つ、この地下室が、あったんですよね。

それで、妙だなと思ったが、
石野さんの下の部屋、
小さい窓が、1つだけあるんですよ。
入り口も、何もないんですよ。
何だろう? この部屋?
面白いなぁ。と思って
また、部屋に戻ってきた、
でも、何せ、みんな
ワイワイ、ガヤガヤ、大声で
しゃべっているでしょ。
その日は、休日だから、
どこも、シーンとしているんですよ、
「嫌だなぁ...」
休んでいる住人もいるんじゃないか?
と思っていたら、
ある隣の家の住人が、
庭に面した窓から、カーテン越しに、
じ~っと、見てるんですよ。
住人たちが、みんなこっちを見てるんですよね。
というのは、かつて、このアパートでもって、
大騒ぎになった家ですよね。
そこへ、何だか、知らないけど、
みんな派手な格好して来て、
ワイワイ、ガヤガヤ騒ぐから、
「あ~、変な集まりが来た」
と、思ったんでしょうね。
私ね、思ったんですけど、
3人だけだったら、
その問題の部屋、そっと覗きに行って、
ドアノブ回したりして、開けば、
中へ入って、覗いたり出来るんですが、
この人数で、そんなことしたら、
通報されちゃうでしょ...。
「この部屋~?」
「へぇ~、ここだったの~!?」

もう、うるさいから、一旦、
引き上げて、
改めて、石野さんから、
話を聞いたんですがね。
================

で、その話というのが、
NPOの方から、控えの空きの部屋があるんでと、
紹介されたんですね。
男性会員の方は、2階へ、
で、石野さんは、1階を選んだんですよね。
どういうことかというと、
ここは、外階段で、
道路から丸見え。
石野さんにしてみれば、
1回の右端のほうが、
安心だからということで...。

カギをもらって、アパートの部屋に入ったとたん、
あれ?
というのも、
玄関を入って右側に、もう1つドアがあるんですよ。
しかも、そのドアには、カギが掛かっていた。

それで、もう一度、改めて外から見ると、
外壁とドアの間に、1mくらいの
幅があり、きっと何かの
すき間だろう。
それで、改めて、アパートの部屋に入ると、
玄関入って、靴を脱いで、すぐ和室だった。
その和室の一番奥、右手の畳との境目のところに、
ガラスの小さい窓がある、
「この窓、何だろう?」

普通、窓といえば、開け閉めして、
景色を見るものなんですが、
この問題の窓は、
高さ20cm、幅30cmくらいの
小さなガラス窓で、
いわゆるハメ●し、
開かないんですよね。

そこで、石野さんは、ゴロンと
寝転んで仰向けになって、手鏡を使って見たならば、
階段が見えた。
ということは、玄関入って、
右側のドアが、入り口なのだろうか?
そこで、石野さんは、もう一度、
外へ出て、ハス池を回ってみた。
自分の部屋の下に、
もう1つ部屋があり、
小さな窓が、1つだけ付いている。
妙な部屋だなぁ...。
地下室のような変なものが、
自分の部屋の下に、
「開かずの部屋」がある...。
普通、考えたら、男性でも、
気持ち悪いものでしょうが、
そこは、NPOの女性活動家で、
肝も座っているから、別に
どうって事ないわよ。
================
それで、生活してみて、部屋には、
何の変化もなかったのですが、
石野さんの、彼女自身に変化が起こったのです。
それが、いつの頃からか、
なんだか、物事が面倒になって来た。
ものぐさになって来た。
部屋の掃除? する気がない、
ゴミ? そのまま、溜めているんですよ。
気にしない。
布団? 引いたまんま、
上げたりしないんですよ。
服? よほどのことがない限り、
着替えない、そのまんま。
風呂も入らない。
物を食べない。
なんだか、知らないけど、
臭ってくるし、げっそり痩せた。
あの朗らかだった、石野さんが、
なんだか無口になってしまってね。
目だけ、ギロギロして、げっそり痩せた。

あまりの変わり様に、みんなが、
声をかけたら、とにかく、噛み付いてくる。
その中でも特に、
親しい友人が、
「あの部屋が、どこか、
おかしいんじゃないの!?」
「何、言っているのよ~!
私は、気に入っているのよ~!」
と、とにかく、喰ってかかる。
まったく、別人なのだ。
以前は、肉付きのいい
明るかった彼女が、
げっそり痩せて
まったくの別人なのだ。
そのうち、だんだん周りも怖くなって、
誰も近寄らなくなってしまって、
本当の1人ぼっちになった。
彼女にとって、それはそれで、
気が楽なのだが...。
周りには、誰もいない。

それで、
彼女が、本当の意味での、1人になった時、
いよいよ怨霊の登場だったんです...。
仕事もしたくない。
仕事ができなくなってきちゃった。
夜、たった1人。
ボヤ~ンとしてる。
気力がない。
すると、何か、音が聞こえてくる。
そして、だんだんと、
日に日に、音が大きくなってくる。
何だか、部屋の中を、
歩き回っている足音のようだっだ。

それが、ある日、
ペタン、ペタン、ペタン、ペタン...と、
階段を上って来て、
ピタッと、止まったのだ!
![映画館の写真素材 [30092537] - PIXTA](https://msp.c.yimg.jp/images/v2/FUTi93tXq405grZVGgDqG4BnHQ0tsXWUF93DgZDpvMYjrhnuBSxRzxId397Cxri4yHwdBCANIMXSITv6jdZLA-zPMJtkQ1PNr5iBTdT7-EWFbFqaVzd9RVCmD05WOvPtFDHRXu1-6NOyi5Cqr4mD4hpO2daJUW8yZ49BGN7xxmMLCb1NHb7cMpSa6QIOSJEkZH7SfpVSw3-cq6ClrE8CTBpMb-lxUpJdqX4tUE0UA0a_Kv2eWuAKP0RLiaJ4PqB0g2TUWon14TQrPwboFlQOaA==/30092537.jpg)
それで、石野さん、
何だろう?と、寝転んだまんま、
ゴロン、ゴロンとして、
例のガラス窓のところまで行ったら、

ガラス越しに何かが、
こっちを見ているのです。
それは、明らかに、人間のそれでは
ないと感じたのだった...。

ぎゃ~っ!

備考:この内容は、
「稲川淳二メモリアル・遺言」
12万回視聴・6ヶ月前
”ものすごくヤバいアパート・
取り憑かれた住人”
”震えながら暴れる”
”麻痺しながら四つん這いで駆け回る”
”口から泡を吹き叫び続ける”
より紹介しました。
(読後感想)
さぁ、
読者の皆さん、
いかがでしたか?
身体は1つなのに、
性格が3つもある、
「おとこなんて、みんなしゃぼん玉」と、
思われている、
そこのあなた?
口から、
シャボン玉のような
泡を吹き、走り続ける...。
きゃは!
「魔改造の夜」か!?
うっ...!
何じゃ、こりゃ~!?


