「操り、組み立て、縫い上げる...」
(作家:あさのあつこ)
人生は、自分の手で作るもの。
自分自身で考えながら小さく積み重ねた時間が、
いつか私らしい大きな花を咲かせるのだと、
信じることから始めてみませんか?
わたしは、生来の怠け者です。
物事を計画し、計画通りに進め、
努力して完成させるという作業が苦手です。
本当に苦手です。
信じられないぐらい苦手です。
これは、自分を卑下しているわけでも、妙な謙虚をしている
わけでもありません。事実です。思い返せば、生徒とか学生とか
呼ばれていた頃、定期試験の前にいつもいつも喘いでいました。
何しろ、試験勉強のためのスケジュールが立てられないのです。いや、
立てられても、その通りに進めることができませんでした。
わたしなりに、頑張りはするのですよ。
ただ、「適当でいいか?」に、
「適当でいいか」が
「もう、いいや。諦めよう!」に変わるのに、さほど時間は
いりませんでした。当然、結果は...
推して知るべしです。
こつこつ力を溜めて、何かを為す。自分を少しずつでも成長させる。
今の自分から変われるように、前を見据えて、一歩一歩進んでいく。
これまでの人生の中で、そういう努力を続けてきた覚えは、自慢じゃ
ないけど、もとい、恥ずかしながら皆無に近いと思います。
まがりなりにも”書く”ことだけは、ウン十年も続けて
きたけれど、これは、”書く”ことに、ゴールとか、正解がないからだと思います。
ここに、到達するために、これをやり遂げるために云々、そういった
”~のために”という目標はあれば 励みになるし、支えになる場合も
多いと思います。でも、”書く”ことは、どこに目標を持っていく
こともできません。
自分なりにここまでと決めていても、いざ、
そこまで何とか行きついてみれば、はるか先に目標という道標は移動
してしまって、歩いても歩いてもたどり着けないのです。
逃げ水みたいなものですね。この曖昧さというか、到達感覚のなさが、
私にはあっていたようで、へらへら、もたもたしながら何とか、続いています。
私のような一般的、世間的な価値観では、明らかに
ダメ人間の範疇(はんちゅう)に入ってしまうものでも、
合うべき何かは あるものです...。
備考:この内容は、
2024-6-10
発行:PHPスペシャル
より紹介しました。