⑥ 「興味がない」と避けず
何事も前向きに取り組む。
若い頃に比べて、物事に興味を持ち
にくくなってはいませんか? もしも
心当たりがあるなら、すでに脳が老化して
きている可能性が高いので注意しましょう。
そのままでは、脳の働きや思考力が
どんどん落ちてしまいます。
脳の3つの本能「生きたい」「知りたい」
「仲間になりたい」のうち、特に
思考や記憶におおきく関わるのが、
「知りたい」という本能。
何歳になっても
「知りたい、聞きたい、見たい」と興味を
持つことが、人間の脳を進化させます。
知っていることでも、新しい
情報や違う見方があるかもしれないと
思えば、興味が湧いてくるはずです。
⑦ 仕事や趣味の仲間と
楽しく会話をする。
歳を取って頭がよくなるか、衰えるかは、
社会との関わり方によって大きく
変わります。よい友人がいて、楽しい会話
をする機会が多い人は、脳を若く保つ
ことができるのです。
脳は、「楽しい」「おもしろい」と
感じると疲れが取れる仕組みになっています。
普段から楽しい会話をしている
人は、脳に疲れがたまらず、若々しい脳で
いられるでしょう。会話が苦手な人は、
まずは「なるほど」と、相手の話を受け止め、
相手が発した言葉を盛り込みながら
話してみましょう。
相手に受け入れて
もらえると、会話はより楽しくなるものです。
聞き上手をめざしましょう。
⑧ 異なる世代とも交流し
できるだけほめる。
年齢を重ねていくと、若いときよりも
人と接する機会が減る傾向にあります。
「ひとりは気楽でいい」と、人づきあい
よりも、1人時間を楽しむ人も
増えているようです。ただ、人
付き合いを避けていると、脳の機能は衰えます。
周囲との
コミュニケーションが減ることです。脳への
情報のインプットが少なくなって
しまうことが一因です。趣味や地域の
コミュニティーで、できれば世代の異なる人
たちとも、積極的に交流を図りましょう。
コミュニケーションのカギは、
「相手を認めてほめる」こと。ほめる機会を
見つけたら、何がいいのかを具体的に
伝えながらほめましょう。
⑨ 損得を考えず
常に全力投球する。
何歳になっても活躍している人に
見られる共通点に「損得抜きで全力投球
をする」ことがあります。なにかに取り組む時に
「損か、得か?」といった考えを持ち込むと、
「損するからがんばらない」
「得するから頑張る」と、力の入れ方を調節
することになります。「がんばらない」と
考えると、脳の働きはたちまち低下します。
これまで私は、多くのスポーツ選手
たちに「勝負脳」の使い方を指導して
きましたが、超一流の選手はみんな、どんな
ときでも手を抜くことがありませんでした。
脳画、最高のパフォーマンスを発揮するには、
いつでも手を抜かず、全力投球することが
とても重要なのです。
「第106回全国高校野球」8/7~
⑩ 効率重視ではなく
緻密に繰り返し考える。
年齢を重ねて経験値が上がってくると、
「無駄な時間を使わずに仕事を
終わらせる方法はないか?」
「完璧を求めず、
7~8割り程度の完成を目指す」など、
効率重視の考え方になる人が少なく
ありません。
しかし、思考は同じことを何度も
繰り返すことで深まります。繰り返す際に、
要所要所で考えを整理すると、新たな気付きや
発見があり、それを吟味することで
独創性が生まれるのです。
最近は、
「繰り返しを考えて吟味することは無駄」と
とらえる風潮もあるようですが、これは
脳にとって必要な無駄であり、無駄こそが、
思考を深め、人を育てていくのです...。
備考:この内容は、
2024-5-20
発行:PHP研究所
より紹介しました。