ラスベガスに意気揚々と乗り込んだOL2人組。
「カジノは、大人の遊び場よ。リッチでゴージャスに
いきましょうね」
「もちろんよ。見て見て、このアイライン。”東洋の
神秘な瞳”なんて、クドかれたらどうしよう?」
期待に胸ふくらませ、はしゃいでいた2人だが、
チップを買おうとすると、ディラーが怪訝な顔で、
「お嬢さん、ママトパパはどこに居るの?」
2人は、子供だと思われてしまい、
チップを売ってもらえない。
「Uru」
「いくら東洋人が若く見えるからって、
あんまりだわ!」
彼女たちがプンプンむくれていると、
ハリウッドスター風の美女を両脇に
はべらせたマフイアのドンみたいなおじさんが
声をかけてきた。
「ど、どうしよう。
愛人になれって、言うのかしら...?」
だが、おじさんはニコニコしながら笑って、
「君たち、お小遣いをあげるから、
これを使ったら 早くおうちへ帰るんだよ!」
と、ポンと100ドルずつくれると、
悠々と去っていったのである。
ラスベガスでまったく相手にされなかった
”東洋の美女”たちは、
「ラスベガスなんて 大キライよ!」
と叫びながら、
次の観光地へと旅立ったのだった...。
備考:この内容は、
1994-1-5
発行:河出書房新社
著者:ユーモア人間倶楽部
「旅の大ドジ編・世にも恥ずかしい人々2」
より紹介しました。