【メチャクチャ英語で突き進む
オバタリアンに唖然...】
ツアーコンダクターのM子さんは、
近頃のオバさんパワーにタジタジだそうだ。
彼女が、あるオバさんばかりの団体の
添乗員をしたときのことである。彼女は、
「入国審査で目的を聞かれたら、
サイトシーイング(観光)
と、言ってください」
と、何度も念を押した。
ところが、その団体の世話役のような女性が
どう聞き間違えたのか、入国審査で、
「イエース、サンタクロース」
と、大声で答えてしまった。
しまった、
しまった、
島崎和歌子。
そのあとの人は、わけがわからなくなったのか、
「イエ~ス、サンタクロース」と
全員合唱することに...。係官が目を
白黒させている間にすんなり通ってしまった
から、M子さんは唖然とするばかり。
さらに、あるツアーでは、
「サイトシーイングは、”サイトウシング店
(斉藤寝具店)”と覚えたらいいですよ」
と、M子さんが教えた所、
やはり中年のオバさんたちのグループは、
「イエス、キノシタフトン店」
と、言ってしまった。そうして全員が、
またしても「キノシタフトン店」と唱和、平成、令和...。
ポカンとする係官を尻目に、
さっさと審査を通り抜けたというから、いやはや
恐れ入ってしまう。
やはりオバタリアンは、たくましい...。
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【おばさんたち、外国のテーブルマナー
ぐらい、なんとかしてよ...!】
ツアーといえば聞こえはいいが、
なんのことはない。1人で旅行できない人の
ための団体旅行であるから、添乗員とは、
なかなか疲れる仕事である。
しかも、あまり上品ではない60
がらみのオバさんの団体を引率することに
なっていた若い添乗員Kさん(男性・28歳)は、
最初から憂鬱だった。ヨーロッパのことを、
原っぱと言ってみたり、
パリのことを、おせんべいと間違えたり
街中で、
必ず、なにか恥ずかしいことを
しでかすに違いないと思ったからだ。
さて、旅程5日目は、ブリュッセルでの
昼食は、某有名レストランでパスタの
コースだった。
「パスタって何ね...?」
「スパゲッテェーのことだがや!」
と言ったような会話れダイコンを交わしながら
35人ものオバさんたちが、「ドヤさドヤさ」と
静かなレストランに乱入。眉をひそめる
お客さんや店員たちの軽蔑の眼差しを感じて
いるのは、
もちろん添乗員のKさん、1人だけである。
「映画・ツーリスト」
そんな彼の繊細な精神状態に
おかまいなく、
かまびすしい(やかましい、かしましい)
オバさんたちは、
一斉に「ズルズルズル」と妙に
ざらついたような音を立てながら、前菜のスパデッティ
を食べ始めた。
あまりに大音量に、
ついたての向こうにいた物見高い
アメリカ人の団体は、何事が起こったのかと
怒ったような雰囲気で、
立ち上がる。
日本人のオバさんたちが35人が、
いっせいにおそば、よろしく音をたてて
スパデッティを飲み込んだのだから、すごいはずだ。
その瞬間、ツアコンのKさんは、
1人 べつのテーブルに
避難していたという...。
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【機内のドリンクサービスで、
酒盛りしたひんしゅく者たち...】
日本の地を離れるが早いが、
すぐに、はしゃぎまくって、ひんしゅくを買って
しまう人たちもいるが、まったくハタ迷惑なものである。
日頃、女性ばかりの職場で、
欲求不満がたまりにたまっているアパレルメーカーの
OL軍団が、サイパンへと飛び立った。
もちろん、お目当ては現地でカッコイイ男の子
を●●することだ。
早くも、飛行機の中で、
「キミたち、女の子ばかりなの?」
と、声をかけてきたのは、法律専門学校の
男ばかりのグループ。あっという間に
意気投合し、ドリンクサービスで
アルコール類が、タダとわかると、
「ただそれだけ...」
どんちゃん
さわぎが始まった。
CA(スチュワーデス)は「シェ~!」
とむくれていたが、異様に盛り上がっている男女にそんなの
知ったことではない。
CAを呼んでは、
「私、ジントニック」
「オレ、水割りね」
「いや~ん、わたし、飲めないの」
「またまた、カマトトぶっちゃって~!?
オレ、ピンクレディにしようかな、
それとも、ホワイトレディ?
いや、マルガリータ、
ジントニックにしようかな?
西野カナ?
倉科カナ?」
といったとか、言わないとか?
とにかく、飲み放題に飲んでいる。
とうとう、パーサーが出てきて、
「申し訳ございません。
機内のアルコールは、
もう一滴も残っておりません」
ちなみに、2つのグループ、
帰りも同じ飛行機だった。
偶然、パーサーも、行きと同じ。
彼らを見るなり、
いきなり、ギョッとした顔で、
「今日は、これだけで、勘弁してください」
と、オールドのボトルを3本、
おいていったそうだ...。
備考:この内容は、
1994-1-5
発行:川で消防新車
著者:ユーモア人間倶楽部
「旅の大ハジ編・
世にも恥ずかしい人々2」
より紹介しました。
若干、あじつけした点、
おわびします。