「おもさげながんす」
浅田次郎氏の名著「壬生(みぶ)義士伝」、
その主人公、吉村貫一郎のセリフです。元南部藩士
にして新選組隊士の吉村が折りにふれ
「おもさげながんす」と言うのですが、
このニュアンスがいいのです。
「お申し訳のないことでございます」の意味ですが、
南部弁、岩手の方言は、
味わいがあります。
「好いとっとばい、よかろうもん」
なんだか、愛嬌さえ感じさせる九州弁ですが、
これ70歳のストーカーが17歳の
JKに迫った時の口説き文句です。
「好きなんだからさ、ね、いいだろ?」
といった意味でしょうが、こういう口説き方も
できるわけで、方言は侮れませんね?
「何しよん?」
一般に北九州の言葉は強いが、
唯一フランス語的な優しい言葉があり、それが
標準語の「何してるの?」、つまり「何しよん?」
なのだそうです。
では、ご一緒にどうぞ。
鼻から息を抜いて、ハイ
「何しよん?」
「ナニシヨン」。
ね、フランス語でしょ!?
「よかきんぽこ」
鹿児島弁で上機嫌という意味だそうです。
「よか」は、わかりますよ。
でも、
「きんぽこ」がねぇ。
私ゃ、てっきり...。
「ちんちんぽっぽさるもっそ」
同じく鹿児島弁で、もっとゆっくり
行き(歩き)ましょうの意味なんだそうですが、
本当でしょうか? さるもっそのさるは
「去る」と見当がつくものの、
「ちんちん」
「ぽっぽ」ですからねぇ。
どうでしょ?
信じていいんでしょうか?
「おいでんなんしょ」(ようこそいらっしゃいました)
「おいなんよう」(ぜひいらしてください)
よく行く、信州は飯田の方言です。
その飯田の郊外で独演会。打ち上げが、「オヒラキ」
となり、座敷から降りようとすると、
中居さんが、「はい、靴すべり」。打ち上げに
参加した他の人に「これ何?」と問うと、
「靴すべり」。
そうか、靴べらのことを、靴すべり
と言うのかと感心したのですが、
飯田市内に入ると「靴べら」と戻ってしまい、
不思議な経験をしました。
しかし、「靴すべり」は、
感じが出ていますよね...。
「カタムチョ」
山形県は庄内地方の方言で、
「意固地な人」の意味だそうです。
感じが出ています。
「なんくるないさ」
沖縄弁で、なんとかなるさの意味。
ケセラセラと同義語でしょうか?
でも、ヘコんでいる時、
独特のイントネーションで、
「なんくるないさ」と言われると、
癒やされるですよねぇ。
大阪では、おっさんに、「おっちゃん」
と言うのはいいが、おっさんに「おっさん」と
言うのは禁物であるという。
必ず「誰が、おっさんやねん!?」
と、怒られるんだそうな。
試す勝ちあり?
いや、やっぱり、やめておきましょう。
ところで、おばさんに「おばさん」というのは?
千葉県は、富津の寿司屋に入ったら、
「はかりめ」という言葉が飛び交っていた。
何だろう?と思ったら、「穴子」のことで、
「測り目」と書くのだという、
穴子は、銅の部分に斑点が
横に並んでおり、それが棒測りの目盛りに
似ているから、測り目とのことだが、軽くて
旨いんです。この「はかりめ」が。
ツマミで飲み、握りで六巻食い、
仕上げは、丼にしましたっけ?
で、安いんです。
ごちそうさまでした...!
備考:この内容は、
2009-8-20
発行:光文社
著者:立川談四楼
「もっと声に出して笑える日本語」
より紹介しました。