■収録内容
【Disc1】
Side A
1. Addicted To You (Re-Recording)
2. First Love (2022 Mix)
3. 花束を君に
4. One Last Kiss
Side B
1. SAKURAドロップス (2024 Mix)
2. あなた
3. Can You Keep A Secret? (2024 Mix)
4. 道
【Disc2】
Side C
1. Prisoner Of Love (2024 Mix)
2. 光 (Re-Recording)
3. Flavor Of Life -Ballad Version- (2024 Mix)
4. Goodbye Happiness (2024 Mix)
Side D
1. traveling (Re-Recording)
2. Beautiful World (2024 Mix)
3. Automatic (2024 Mix)
4. 君に夢中
5. 何色でもない花
【Disc3】
Side E
1. 初恋
2. Time
3. Letters (2024 Mix)
4. BADモード
5. COLORS (2024 Mix)
Side F
1. 二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎
2. Gold ~また逢う日まで~
3. Electricity
4. Somewhere Near Marseilles -マルセイユ辺り- (Sci-Fi Edit) [Bonus Track]
【前回のブログからのつづき...】
という彼女だが、原曲の良さをしっかり
残しつつ、現在のセンスと技術でアップデートさせた
新録バージョンは
本作の大きなポイントだろう。「Addicted To You」「光」
の新録は A、G、Cookとの共作だ。
Utada>
A、G、Cookも(「Addicted To You」を
プロデュースした)
ジャム&ルイスをとても尊敬していて。原曲に忠実にアレンジしながら、
彼の風味や”今感”が入っています。「光」は、(原曲のギターの音から
離れていいかな?)という提案があって。(全然いいよ)
というところからできたバージョンです」
...そして、「traveling」は☆Taku Takahashiが参加。
Utada> こちらからの
細かいお願いも聞いてくれて、すごく嬉しかったです。
(原曲の)疾走感や、ソリに乗って飛んで行っちゃうような
感覚を残しながら、ベースの
音などで雰囲気は、だいぶ変わったのかなと。歌い直すのも
楽しかったです。
...2曲の新曲も素晴らしい、何色でもない花は 6/8拍子と4/4拍子を
行き来するリズムアレンジが印象的なナンバー。
Utada> 簡単に言うと、
バッハとR&Bをトラップしたみたいな感じで。
それを1曲のなかで一緒にしてみました。
というコンセプトには、彼女の奔放なトライアル精神が反映
されている。
Utada> (歌詞については)形のないもののことを”何色でもない”と
表現をしていて。形があるものでさえ、自分の存在や気持ちを
信じるのは難しいことだなと思った。それをどうしたらいいのか、
そんなことを思って、こういう歌ができました。
...
「Electyricity」は、浮遊感と疾走感を併せ持ったトラック、意外性に
溢れた展開など、独創的なクリエイティビティが発揮されたナンバー。
歌詞の内容は、「SCIENCE FICTION」というベスト盤のタイトルとも
リンクしている。
Utada> ”宇宙人が地球に移住してきて、そこで出会いがあって”という
恋愛の物語をそれこそサイエンスフィクションの世界で
描きたくて。
人類が滅亡した後の廃墟と化した地球とか、
そこで落ちていく夕日とか。
いろろなイメージを持ちながら書いていました。
...デビュー以来、音楽的なクオリティーとセールスパワーを共存させ
ながら、音楽シーンに新鮮な衝撃を与え続けてきた宇多田ヒカル。
ベストアルバムの制作は彼女自身にとっても25年のキャリアを俯瞰する
貴重な機会になったようだ。
Utada> 振り返ることはかなり抵抗があったんです。
デビュー当時は劇的に、
いろんなことが起こりすぎて、記憶もあまりないし...
もちろん楽しいこともいろいろあったんんだろうけど...
しんどかったな、よく
乗り越えたみたいな感覚があって。
あまり思い出したくない時期
だったりもするので、率先して振り返ろうと思ったこともなかったのですが、
今回ベストアルバムをつくって、初めて振り返れたというか。
やってよかった、大きな意味があったなって思いました。
...さらに、彼女は「断絶されていた時期と今が
つながった気がした」と
言葉を重ねる。
Utada> スタジオでミックスを確認しているときは感傷的になることは
全然なかったんですけど、”できあがったものを1回聞いてみよう”
と思って。家で洗濯物をしながらイヤホンで「Automatic」を聴いたら、
見ないようにしていた昔の自分が、今の自分と全然変わらない気がして。
グッときちゃって、1人でめちゃくちゃ泣いちゃったんです。
そのときにやっと”ベストアルバムを作る意義って、こういうこと
だったのかな”と。
...7月からは、全国ツアー「SCIENCE FICTION TOUR 2024」が
スタート。ベストアルバム、そして6年ぶりの前項ツアーで宇多田ヒカルは、
過去の自分と出会い直すことで、
新たな音楽表現へと進んでいくことになりそうだ...。
備考:この内容は、
2024-5-14
「HMV & BOOKS」
より紹介しました。