【「オレってそんなにイイ男?」
厚い眼差しを浴びた真相は...?】
日本人の若者が、どこの国に行ってものびのびしている
のは結構だが、その国の風習を知らないがために、
かえって笑いものになっていることもある。
大学生のU君は、ちょっと2枚目で、キャンパスでも
なかなかの人気者。このUくんが、インドネシアのジャワ島
の街をおしゃれなタンクトップに短い短パンといういでたちで
歩いていると、地元の人がやたらと彼を見るではないか!?
「オレって、日本人ばなれしたルックスだもんな。
ファッションもリゾートで決めてるし、やっぱりイイ男は
万国共通か?」
すっかりいい気分になったUくんは、ためしに女の子に声を
かけてみたが、クスクス笑って逃げていってしまった。
「へぇ、恥ずかしいのか? 日本の子と違って純情でいいね」♥
鼻の下を伸ばしてスター気取りで歩いていたUくん
だが、なんのことはない。
ジャワ島では宗教上の理由で、
男がスネ毛を出して歩くなんてとんでもないことなのだ。
つまり、Uくんは場違いなスタイルを笑われていた
だけだったのである。
「誰もそんなこと教えてくれなかったぞ!」
と、悔しがったが、もう、後の祭りであった。
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【パリの高級デパートで
スト●ップしちゃったOL】
OLのK子さんは、パリの高級デパート
「ル・プランタン」で、素敵なスカーフを
見つけた。日本で買えば4万円するものが、
ここなら8,000円で手に入る。しかも
たった1枚しか残っていない。
彼女は、さっそくトラベラーズ・
チェックを握りしめてレジに並んだが、彼女の
順番がきて、トラベラーズ・チェックを見せると、
パスポートの提示を求められた。
あいにく、K子さんのパスポートは、
「巻き子さん」の奥深くしまい込まれている。
「巻き子さん」とは、腹巻き譲の貴重品入れのこと...。
K子さんは、これをジーパンの下の、その
またガードルの下に巻きつけていて、
トイレに入らないと取り出せない状態
だったのである。
そこで彼女は、スカーフをつかんだまま
トイレに行こうとしたが、当然、店員に
止められてしまった。
「どうしよう!?...
トイレに入っている間に
ほかの人が、このスカーフを買っちゃうわ。
こんなに素敵なんだもの。
誰だって、狙っているはずよ~」
思いあまったK子さんは 暴挙に出た。
衆人監視の中、「エィッ!」と、
ジッパーを開いたかと思うと、
ジーパンとガードルをおろし、
「巻き子さん」を取り出したのだ。
「知っている人がいないんだもん、
恥ずかしくないわ~」
レジの前に並んだパリっ子たちは、
凍りついてしまったことだろう...。
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【見栄っパリ奥さん、チップを上げすぎて自己破産...】
なかよしの奥様グループが、はじめての
海外旅行でロンドンにでかけた。リーダー格の
K婦人は、何事も仕切らなくては
気がすまない。
ホテルに着くと、ベルボーイは
荷物を運んでくれた。K婦人は
「みなさ~ん、まずベルボーイさんにチップを
渡すのがエチケットですよ」
彼女は、さっそうと財布を出したが、
うっかり20ポンド札(約3,200円)を
財布から出してしまった。
しかし、お仲間が見ているので、
引っ込みがつかない。しまった、とは思った
ものの、エイッとあげてしまった。
大枚をもらったボーイが大喜びで、
ほかのボーイたちにもふれまわったから
たいへんだ。
「えらく気前のいい客が来たぜ。
お前たちも行ってみろよ!」
K婦人の部屋には。入れ替わり立ち替わり
ボーイやメイドやらが顔を出す。
見栄っ張りのうえに、英語のできないK子婦人は、
そのたびに泣く思いで20ポンドを
あげていた。
しかし、楽しみにしていたショッピングの
ためのお金まで使い果たして、
とうとうプッツン切れてしまったようだ。
いくらノックされても、決してドアを
開けず施錠してしまったのである。
心配したツアーコンダクターの、
「どうしたんですか? なにか事故ですか?」
との日本語を聞いて、彼女は、そっと顔を出した。
泣きの涙のK婦人の訴えを聞いて、
ツアーコンダクターも、
呆れてしまったとか...?
備考:この内容は、
1994-1-5
発行:河出書房新社
発行者:清水勝
著者:ユーモア人間倶楽部
「旅の大ドジ編・
世にも恥ずかしい人々Ⅱ」
より紹介しました。