【タ行音の店名は、ラーメンの室をアップさせる力がある!?】
いつの世もラーメンはある一定の
人気を誇っている。特に男性からの支持は厚い
といえるだろう。ここからは、ラーメンの
歴史と店名を見ていきたい。
1957年から1970年の14年間を、
感性リサーチでは”自尊心の時代”と呼び、
「個が全体のアナログ期/客観の時代」としている。
この時代は本物志向であり、伝統に
憧れ、他社との違いがよく見えてくる時代だ。
ラーメンでいうと、58年に東京の武蔵境で、
「珍々亭」が油そばを考案したのが、
ちょうどこの時期だ。
そして、61年に、かの有名な
山岸一雄が「大勝軒」を東池袋に
開業している。
ちまたのラーメンブームにあやかるがごとく、
即席ラーメン界でも動きがあり、
66年に明星食品から、「明星チャルメラ」、
68年に日清から「出前一丁」が発売された。
この時代は、「ちんちんてい」、
「たいしょうけん」、「ちゃるめら」、「でまえいっちょう」
と、タ行を中心とした音が多い。
タ行の音は、舌先を上あごにつけ、
息で舌をはらませた後、力強く弾き出す。そして
息で膨らむ舌の感覚が、充実感や確かさを
もたらす。息を飛ばした後、口腔が高々と
上がるので、高さやステップアップする感覚をもつ。
これから日本経済が発展してくる
時代だからこそ、ラーメンに関しても高みを
目指していく上昇機運が高まり、タ行の音を
好んで使用していることがわかる。
また、自尊心の時代は「らしさ」を
大切にしたプロフェッショナル志向のため、
ネーミングもラーメンの本質、中華風を
目指す機運を醸し出していた。
タ行は、発音する際、
唾液を飛ばす感じが汁物のスープの
ようなイメージを作る...。
備考:この内容は、
2011-5-20
発行:成美堂出版
印刷:大盛印刷(株)
監修:黒川伊保子
著者:感性リサーチネーミングラボ
「売れる!!ネーミングの秘密」
より紹介しました。