「本当に大切なこと」を、
最優先に考えたら、
「断る」ことができるように。
南さんが、本当に無駄なものを
切り離せるようになったのは、
比較的最近なのだと言います。
「断る、っていうことができない
性分でした。元来が「人好き」
なんでしょうね。誘われると、会いたい
と思ってくれているんだ。それには
応えなきゃと思う。忙しくても
無理して時間を作ってましたね」
その考えを大きく変えたのは、
●ロナ渦でした。
「気軽に人に会えなくなって
断りやすくなった(笑)。相手に
合わせることより、今、何を一番に
したいのか?
大切なことは何か?
自問自答するようになりました。
そうしたら、素直に「あいにく
ですが、またの機会に」って、
言えるようになったんです...。
人生は選択の連続。何を
選び取るかで、次の展開が変わります。
だからこそ、ちょっとしたことでも
選択が大事なんです。
「自分で決めたことなら、納得も
できますよね。人生、失敗も
ありましたが、それだって、その
ときの自分の判断。今の自分は
自分が選び取ってきた結果ですから、
反省はあっても後悔はしません。
心が傷付いても、その傷を糧に
する。落ち葉が、やがて腐葉土に
なって、次に芽ぶく緑の肥やしに
なるように、過去の失敗や心の傷、
ネガティブな経験は、活かさなきゃ。
そう考えたら、誰かと自分を
比較して、卑屈になったり、人生の
失敗を人のせいにすることも
なくなると思うんです...。
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【年齢を重ねたら、
右肩下がりになっていく自分と
うまく付き合っていきたい...】
「シワや白髪が増えるのも、
老眼が始まるのも、自然なことですよね。
でも、それを、老化とは言いたく
ないんです。人間としての進化
なんです!」
と、南さん。
大好きなオードリー・ヘプバーンを例に
説明してくれました。
『『ローマの休日』のときのあの
美しさはもちろんですが、人権
支援活動に尽力していた晩年の、
表情の豊さときたら!
映画の世界以外にも、
自分の居場所を見つけた
からこそですよね。
年齢を重ねた
人間にしかない美しさは、誰にでも
あるはず。
女性は、若くないと
価値がない、などという男性目線の
価値観に、女性の側がとらわれて
ちゃダメ。
それじゃ、いつまで
立っても世の中、変わらないですもの」
今の自分を素直に認め、軽やかに
生きる、南さんの自然な笑顔の
秘密は、どうやらそんな価値観に
あるようです...。
備考:この内容は、
2024-1-26
発行:宝島社
「60歳すぎたら
捨てて心が軽くなる
100のこと」
より紹介しました。