【キーワード① 愛語】
思いやりのある言葉。
礼儀や作法の根源にあるもの。
「愛語」という言葉があります。
仏教用語で、親愛の心がこもった言葉
を意味します。対話の際には礼儀や
作法が求められますが、結局の
ところ、それらすべてのベースにある
ものは、「愛語の精神」に、他なりません。
「新渡戸稲造」は、礼儀について、
こう語っています。
体裁を気にして
行うのならば、礼儀とは浅ましい
行為である。真の礼儀とは、相手に
対する思いやりの気持ちが外にあら
われたもの。
礼儀の最高の姿は愛と
変わりありません。と。最初に相手を
思いやる心があり、それが自然と
礼儀につながる。人との対話においては、
まずは、心の存り方から見つめ
直してみるとよいでしょう...。
それでは、思いやりの心は、
どのようにして育まれるのでしょうか?
それは、常日頃から、相手への
観察力と想像力を働かせることです。
100人いれば、100通りの作法が
あるもの。ただ、相手に優しく
接するだけでは、ときに、傷つけてしまう
こともあります。
相手をよく観察し、
求めるものを想像する。その思考の
積み重ねで、礼儀や言葉は成熟して
いきます。
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【キーワード② 気遣い、気配り、気走り】
思いやりを生み出すための3つの要素。
思いやりの心は、3つの「気」に
よって成り立っています。
気遣い、気配り、気走りです。
相手をおもんばかる気遣い、
不足がないか周囲を
ケアする気配り、
そして、問題に
対して先回りし、未熟に手を打つ気走り。
少し難かしそうに聞こえますが、
観察力と想像力を養えば、心と体が
自然と「気」に沿って動くように
なるはずです。
そうは言っても、人間ですから、
いつ何時も、思いやりの心を持ち続け
るのは難しいときもあります。
ふいに、イライラしたり、気持ちが
ふさいだり...。
そんなときは、心の中に、
いい運転手と悪い運転手の2人が
いるのだと想像してみてください。
心が悪しき方へ向く時は、悪い
運転手が運転しているとき。
その際は、
「運転はやめようね」と、優しく
いなしてあげましょう。
これはつまり、
自分自身を客観的に見ているという
こと。
感情のままに振る舞えば、「愛語」も
思いやりも影を潜めてしまいます。
自分の感情を上手にコントロールし、
状況を俯瞰で見つめること。これも
1つの、大人の大切な作法です...。
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次回予告。。。
【言葉のグラデーション】
言葉の濃淡を使い分けて心を伝えよう。
思いやりの言葉は、
自分にもよい効果を招く...。
備考:この内容は、
2024-1-18
発行:宝島社
「心が楽になる言葉、
豊かになる言葉。」
より紹介しました。