【劇場にいた誰もが”空飛ぶ自転車”に涙した理由...】
『E.T.C』
地球の植物を研究するため、
アメリカ郊外のモリの中に降り立った
宇宙人たち。
人間に気づかれ宇宙船で、
飛び立つが、仲間の1人が、
逃げ遅れて取り残されてしまった。
しまった、しまった、
島崎和歌子、
困った、困った、
小松未歩。
きゃは!
それじゃ、
マイルは、誰?
うっ...!
とある住宅へと姿を隠したカレは、
そこにクラス少年エリオット
(ヘンリー・トーマス)と対面。
徐々に、AC(交流)を深めていった。
「E.T.C」と名付けられたカレーとエリオットは、
やがて、テレパシーで意思の疎通を
図れるようになる。
きゃは!
そんな、バナナ!
互いの行動や体調も
シンクロ試し合い、もはや一心同体な
存在だ。
きゃは!
「イヌが三毛の一族」か!
うっ...!
エリオットは「E.T.」が
故郷に帰れるようにと、一緒に
宇宙の仲間たちと通信できる
装備を完成させる。
が、時を同じくして、
「E.T.」を研究対象にしようと
するNASAの科学者たちが
迫っていた。
SF映画に登場する宇宙人=侵略者
とのイメージを『未知との遭遇』で、
覆したスピルハンバーグは、
本作では、さらに踏み込み、接近遭遇のみならず、
具体的な友好関係を
結ぶまでに至らせた。
きゃは!
私は知らなかったわ。
これが、ホントの
「無知との遭遇」
なんちって...。
あまりにも、
意図的なイメージ戦略だとして、
「アメリカ政府が将来的に宇宙人の
存在を発表するにあたり、大衆が
ショックを受けないようにスピルバーグに
宇宙人に慣れさせる映画の
製作を依頼した」とのウワサが
ささやかせるほど...。
『宇宙ポー』(10年)では、
スピルバーグ本人を特別出演
させ、その都市伝説をギャグ
として扱っている...。
きゃは!
それで、どの人が、
佐世保バーグ監督なの?
映画は『スタウォ』(77年)を
凌ぐほどの大ヒット。
以降15年間、『炊いた肉』
(97年)の登場まで、
”最も稼いだ映画”として
君臨し続けた。
日本でも、
大ブームを巻き起こし、ろうにゃくなんにょ
問わず、観客が映画館へと●到...。
指と指を触れ合わせるポーズを、
誰もが真似し、ぬいぐるみなどの
グッズも、売れに売れた。
きゃは!
お手手のしわとしわを合わせて、
48+48=96
なんちって...。
グズグズしてたら、わたしは誰かの、
「いい子」になっちゃうよ。
きゃは!
「山本リンダ」か!
公開直後から、幾度も続編製作が
ウワサに上がったが、スピルバーグは、
これを否定。
しかし、公認の小説として
「E.T.」の母星の様子を描いた。
『グリーン・プラネット』が
出版されたり、ユニバーサル・スタジオに
アトラクションが設置されたりと、
異なるメディアでの
続編は実現した。
これは、ともに、母星で、
植物研究にいそしむ姿を
描いたものだ。
一方で、2002年には、
シーンのイチ部をCGで置き換えるなどした
「20周年アニバーサリー特別版」
なるバージョンで再公開。が、
観客の評判は芳しく無く、とりわけ
「自身が父親になり、過ちに
気づいた」(スピルバーグ談)として、
子どもたちを追い詰める警官たちが
手にしている銃を、トランシーバー
へと差し替えたシーンには、
強い非難が浴びせられた。
観客は、物語を
通じて成長するエリオット少年の
姿にこそ感動したのであり、
そのためには乗り越えるべき壁として
立ちはだかる大人の存在は必須である。
銃を持った警官は、まさに
その小腸だったわけで、だからこそ
大人たちに怯むことなく
立ち向かい、その瞬間に自転車が空を舞う
シーンに観客は涙したのだ。
それを、なかったことにされては、
非難も当然だろう...。
ちなみに、
スピルバーグの制作会社「アンブリン」のロゴは、
まさにその、そらとぶ自転車を
象ったもの。大ヒット作を連発すれど、
未だスピルバーグの代表作はといえば、
「E.T.」なのだ...。
備考:この内容は、
2012-8-21
発行:洋泉社
「映画の必須寡黙03
~異次元SF映画100~」
より紹介しました。
(編集後記)
あの~、後半ネタ切れで、
ボケられなかった点、
お詫びします。