【どんな技なのか...?】
「ウルトラ水流」の威力は、どの程度
なのだろう?
第13話「オイルSOS」で、
ベスターが起こした石油コンビナート火災を
瞬時に鎮火させたエピソードから、
これを推測してみよう...。
具体的に、どれほどの
水を噴出する技なのか...?
現実の世界で、ウルトラ水流に、最も似た
ものといえば、消防自動車の放水である。
一般的なポンプ車から出される水の量は、
1秒間に35L程度であるという。
東京近辺の、石油コンビナート火災ともなれば、
東京消防庁は、全力を挙げて消火に
あたるはずだ...。
'05年現在、同庁が、保有している消防車は
1,854台で、そのうちポンプ車じは、
643台。
それで、まったく歯が立たない火災を、
あっという間に鎮火させたのだから、
ウルトラ水流の放水力は。
高圧ポンプ車1万台くらいはあると、
みていいだろう。すなわち、1秒間に350tの
放水力ということになる。
1秒間に350t、25mプールをいっぱいに
する水が、ウルトラマンの手から
たった1秒で放たれるのだ。噴出速度は、
相当なものになっただろう。その速さは、
放たれる水の断面積によって決まる。
もちろん、断面積が狭いほど、水は高速で
放たれたことになる。
2回使用されたウルトラ水流は、
放つ時のポーズが微妙に異なっていた。
ベスターと戦ったときは、左手の甲を
右手首に巻きつけるようなポーズで、
右手の中指から放水した。
筆者の中指の直径は、1.6cm。
身長40mのウルトラマンなら35cmになる。
すると、水流が指と同じ直径で
出されたとしても、断面積は、962平方cm。
この面積から毎秒350tの水を放つと、
速度は、「マッハ9.8」。これは、速い!
ジャミラを、●ったときには、右手を横に、
左手を縦にして手のひらを合わせ、
その隙間から、薄い帯状の水流を発射した。
縦の幅は、
ウルトラマンの指の2倍ほどだった。
厚みが、その1/5だとすると、断面積は
80平方cm。
この場合の速度は、「マッハ9.6」。
おぉ、ほとんど同じである!
ポーズは違っても、水流の速さが一定とは、
なんだか感動するなぁ...。
ノンキなことを、言っている場合では
ない。水に研磨剤を混入して噴出し、
コンクリートや鉄を切断する
ウォータージェットでさえ、水流の速さは
「マッハ1.5」なのである。
ウルトラ水流の速度は、その
約6倍。破壊力は速度の2乗に比例する
から、すなわち、36倍の威力を
持っていることになる...。
こんなもん、浴びせられたら、水に
弱かろうが、強かろうが、関係ない。
ジャミラは、一瞬にしてバラバラ●体となり、
四方八方に飛び散ってしまう。
石油コンビナート火災も消えるかもしれないが、
施設自体が、粉砕されてしまって、2度と、
使い物にはならないだろう...。
備考:この内容は、
2018-11-30
発行:KADOKAWA
著者:柳田理科雄
「空想科学読本 1」
より紹介しました。
(編集後記)
一部、パソコンの不調により、
画像が、マッチしていない点、
お詫びいたします。
きゃは!
ほとんどでしょ!