映画「ファイアバード」の紹介... | Q太郎のブログ

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「Firebird/ファイアバード」 2024-2/9 公開

 

(2021年) エストニア=イギリス

 

 

 

抑制された時代に実在した2人の愛の衝動

 

 

「Firebird/ファイアバード」

 

旧ソ連、ロシアなどで40本もの映画や、

 

テレビドラマでキャリアを重ねていた俳優、

 

セルゲイ・フェティソフが著した回想録

 

「ロマンについての物語」を基に

 

映画化した「Firebird ファイアバード」。

 

 

 

今作の監督を務めているペーテル・レバネ監督の

 

心を深く突き動かした。

 

語られるべき愛の物語に迫ります...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年3月、エストニアで同性愛の

 

婚姻を認める法改正が国会にて議決、

 

2024年1月に施行される運びと

 

なった。

 

 

 

これで、エストニアは、同性間の婚姻が

 

法制化された世界で35カ国目。旧ソ連構成図

 

として初めての国に...。

 

 

 

 

 

 

 

こうした状況下で

 

2024年2月に、日本で劇場公開されるのが、

 

この『Firebird/ファイアーバード』だ。

 

 

 

 

本作は、1970年代のソ連占領下の

 

エストニアを舞台に、男性同士の愛の物語が

 

描かれた。そこでは、刑法121条によって、

 

男性同士の●行為は、労働収容所で5年以上の

 

禁固刑を課せられてしまう。お父さん ラブラブ びっくり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイアバード | FIREBIRD | reallylikefilms

 

 

 

時代劇とはいえ、チェチェン共和国の

 

●的マイノリティに

 

対する弾圧と迫害を追ったドキュメンタリー

 

映画『チェチェンへようこそ~ゲイの

 

粛清~』(2020)が告発したように、

 

旧ソ連圏や、ロシアにおける●的マイノリティを

 

めぐる闘いは、現在も終結していない...。

 

 

 

 

 

 

 

 空軍基地で異なる立場にありながら、

 

兵役に就くセルゲイと、パイロットのロマンは、

 

共通の趣味である写真を通してすぐに

 

惹かれるようになる。

 

 

 

 

 

映画は、将校のルイーザと、

 

セルゲイに恋愛のニュアンスをもたせて

 

始まるが、ここにロマンも加わり、三角関係へと

 

発展してゆく...。

 

 

 

 

 

したがって『Firebird ファイアバード』は、

 

ワイオミング州の

 

山中で季節労働者として出逢った

 

男性2人が、その後、女性と結婚するゲイ

 

映画の金字塔『ブロークバック・マウンテン』

 

(2005)と、しばしば並べて語られる。

 

 

 

 

直近では、ゲイ男性とその妻の関係に

 

若い男性が介入するモロッコ映画『青い

 

カフタンの仕立て屋』(2022)も

 

公開されたばかりだが、こうした三角関係は、これまで

 

何度となく変奏されてきた...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Firebird 映画 動画配信 オンライン 視聴

 

 

 

規律の厳格な軍隊の中で、セルゲイと

 

ロマンはクズネツォフ大佐から目を

 

つけられてしまう。大佐は、2人で過ごす部屋にも

 

抜き打ちで確認に現れる。お互いへの

 

思いが強くなる一方、そうした圧力に

 

耐えられなくなってしまったロマンはセルゲイに

 

つらくあたり、避けるようになってゆく。

 

 

 

 

それから、1年後、モスクワの演劇学校に

 

入学したセルゲイは、ルイーザから衝撃の事実を

 

聞かされ、ロマンと再会を果たす...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペーテル・レバネ - 「Firebird」本予告、ウクライナの俳優 ...

 

 

【ペーテル・レバネ監督のビジョン】

 

 

 

「私たちが生きている今の時代というのは、

 

基本的人権、平等、自由が、過去の

 

ものから形を変えて、世界中で侵害されている。

 

 

 

 

現代のロシアを含む多くの国では、

 

同性婚家族はいまだに違法であり、差別の

 

対象となっているのだ。私は、セルゲイの

 

真実の物語を伝えることで、人々が

 

自分とは異なる他者を理解し、セルゲイが

 

言うように”私の愛はあなたの愛に

 

劣らない”と言う愛が愛であることの意味を

 

理解する助けになると信じている...。

 

 

 

 

 

 私は今作が、冷戦時代のソビエト連邦の

 

ような最も抑圧的な社会においてさえも、

 

同性同士の家族が苦しみながらも

 

生き延びてきたのだという事実を

 

明らかにしてくれると信じている。

 

 

 

 

 

セルゲイの物語を世界中の観客に届けるため、

 

ぜひ私たちの旅に参加して欲しい。

 

 

 

 

今こそ

 

『愛すること、愛されること』という

 

普遍的で基本的な人権を自認し、尊厳を

 

もって名言するときだと信じている。この

 

映画が、そのきっかけとなってくれたら、

 

これ以上の喜びはないだろう...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画『Firebirdファイアバード』公式 (@firebird_movie) / X

 

 

~Column~

 

【また奪われてしまいかねない権利や地位を手放さないように...】

 

 

 

1960年代のイタリアを舞台に

 

実在した芸術家であるアルド・ブライバンディが

 

同性愛のために法定に

 

立たされてしまう『蟻の王』、イタリア初の

 

同性愛支援団体が発足した契機にも

 

なった実際の1980年に起きた

 

ヘイトクライムを題材にした『シチリア・

 

サマー』といったゲイ映画が、

 

2023年に、ここ日本で劇場公開された。

 

 

 

 

 

●的マイノリティの人権について少しずつ

 

ながらも、向上してきた現代において、

 

あえて過去を歴史化し、いまに至るまで

 

どのような道のりがあったのか?

 

 

 

 

やもすれば、また奪われてしまいかねない

 

権利や地位といったものを手放さない

 

ため、この時代に●を打ったようにな映画が

 

いくつも作られている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

newTOKYO | 同性愛がタブーのソ連占領下・エストニアで愛しあっ ...

 

 

同性愛が、禁じられていた一時へ遡る

 

「Firebird/ファイアバード』もまた、

 

この系譜上にある作品といえるだろう...。

 

 

 

 

 

実在の人物の経験が基になっている

 

本作は、同性同士が、共にいられなかった

 

時代を生きる者の物語を描くに

 

あたって、安易なハッピーエンドに

 

落とし込められるわけもなく、劇的な展開が

 

待ち受けるわけでもない。

 

 

 

 

『ファイアバード』が最も強くわたしたちに、

 

訴えかけるのは、時代と社会によって差別

 

される同性間の愛は、しかし、異性間の

 

それとなんら遜色なく、<等価>である

 

という真理なのだ...。お父さんグリーンハーツ お父さん ブルーハーツ

 

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

令和6-1-21

発行:近代映画社

「SCREEN 2024年3月号」

より紹介しました。