【歳を重ねて失敗するのは怖い。
だからこそ、挑戦が情熱を生む...】
脚本家 中園ミホさん。
「心の師に背中を押され、
書き続けることを決意」
『やまとなでしこ』『ハケンの品格』
など、数々の大ヒットドラマを
手掛けた、脚本家の中園ミホさん。
中園さんが敬愛する映画監督の1人に、
フランスの巨匠、クロード・ルルーシュ氏
がいます...。
「私が初めてルルーシュ監督の
『男と女』を観たのは、小学4年生のとき。
大人の世界を覗き見たような
ドキドキ感は、今でも忘れません。
子供なりに字幕を一生懸命
追いかけながら、セリフや脚本というものを
意識したのは、おそらくこの映画が
初めてだったと思います...」
脚本家として多忙な每日
でしたが、あるテレビ番組の企画で、
『男と女』の撮影地であるフランス・
ノルマンディー地方を訪れることに。
そこになんと、ルルーシュ監督が直々に、
中園さん宛にビデオ・メッセージを、
残していてくれたそうです。
「『過去よりも今の人生を楽しみ、
愛すること。たとえそれが、未知の
場所であろうとも...』。
このとき、監督が
贈ってくださったこの言葉に、強い
衝撃を受けました...。
当時、私は50代半ばで、
少し仕事に行き詰まって。
私が好きな恋愛ドラマが下火に
なったこともあって、『いい歳を
したおばさんが、恋愛ドラマを書く
なんて恥ずかしい』
『それで、失敗したら怖い』と、
そういうことばかり
考えていたんです。
でも、ルルーシュ監督は、
80代になった今もなお、
ラブストーリーを書き続けている。
それは、間違いなく『未知の場所』への
挑戦で、とても情熱的でした」。
いい大人になって失敗するのは、
怖いこと。だからこそ、勇気を持って
未知なる扉を開けることで、年齢を
重ねても人生が、輝き続ける
のかもしれません...。
「新しい作品を書くのはいつも、
とても恐ろしいことなんです。
でも、先が見えないからこそ情熱的に
追い求めることができるし、
しなきゃいけない。
ルルーシュ監督は、
『人生で一番美しいときは、まだ
訪れていない』とも、おっしゃっていました。
小学生で、『男と女』を観て以来、
彼は再び、私の背中を
押してくれたのです...」
備考:この内容は、
2024-1-18
発行:宝島社
「心が楽になる言葉、
豊かになる言葉」
より紹介しました。