「フェルスタッペン」
そのアロンソは、あらゆる
場面柄、頭脳プレーと、攻撃的かつ
しぶとい防御に長けたベテラン
らしい卓越したレースを
見せていた。
また、そのアロンソと
しぶとく戦い、終盤ハミルトンの
構成も巧みにかわして
8位の座を得た「角田裕毅」。
ラッセルの2位と、ハミルトンの
9位で見事フェラーリを
かわしてコンストラクター2位の
座まで帰ってきたメルセデス。
最終盤アブダビは、'23年
最後のケリをつける頭脳と
フィジカル。
マシンとドラーバーと
チームが絡み合う
凄まじい戦いであった。
そして、このレースで、F1ならではの
ハイクラスバトルを
戦うF1ドライバーたちの
高い身体能力を感じざるを得なかった...。
これまで、忘れかけていた
高度なF1バトルだった。
最終戦アブダビは、
これからのF1に、大いなる期待を
抱かせてくれた。見事な'23年の
終章であった。
「アロンソ」
【アブダビGPで感じた
来季への期待と課題...】
フェルスタッペンの
シーズン19勝。アロンソの活躍、
リカルドの復帰、走らない
マシンを走らせながらドラーバーズ
シーズン3位のハミルトン、突然の
コールでもコンペティティブに
走るヒュルケンベルグ、
シニア・ベテランの経験豊富な
ドライバーたちの凄さが
目立ったが、それでも、世代交代の
兆しは確実に見えてきた。
「ハミルトン」
ノリス、ラッセルの安定した速さ、
ピアストリの驚くほど
出来上がった強さ、今シーズンの
角田裕毅の成長。期待の
若手が確実に育ち、虎視眈々と
シニアたちの追い出しに
かかり始めている。
しかし、わずかしなない
シート、滅多なことでは
シニアは動かず若手の入り込む
余地は、ほとんどない。
「ヒュルケンベルグ」
これも既存の10チームが自分
たちの利権を主張して
新チームの参加を拒むので
シートが増えないのだ。
今のままでは、せっかくの若い才能も
活かすことができない。
F1グランプリチームの運営は
停滞し、梗塞し始めている
ように思う...。
このまま、レッドブル一択の
勝利が続けば F1が心筋梗塞を
起こしてしまう。今、
マシンもレギュレーションも
新風に吹かれ、才能ある新人の
爽やかな風も吹いているのだから、
残るは本当の新チームの
風が吹いてくれれば、F1の
鮮やかな変身が観られるかも
しれない...。
備考:この内容は、
2024-1-10
発行:講談社
「ベストカー」
より紹介しました。