アメリカを代表するTVバラエティー
「サタデーナイト・ライブ」の
人気者たちが作り上げた「ゴストバスターズ」は、
「オールド・アメリカへの回帰」
を背景とする
80年代カルチャーの象徴という
べき作品だった...。
1975年の放送開始から現在まで、
アメリカ随一の人気TVバラエティー
として知られるNBCの
「サタッデーナイト・ライブ」(以下「SNL」)。
この番組に企画されたのが、
「ゴースト・バスターズ」である。
中心となったのは、レイモンド・
スタンツ博士役のダン・エイクロイドだ。
そう祖父と父が超常現象の研究家で、
幼い頃から降霊にも、幾度となく立ち会って
きたエイクロイドは、ボブ・ホープ主演の
「ゴースト・ブレーカーズ」(40年)や
アボット&コステロ主演の
「凸凹お化け騒動」(41年)など、1940年代の
人気を博した「ゴースト・コメディ」に、
ヒントを得て、幽霊退治を請け負う
プロフェッショナルたちの物語を思いつく...。
主人公のピーター・ヴェンクマン博士役
には、当初、SNLの名物キャラクター
から映画へと発展した
「ブルース・ブラザーズ」(80年)で、エイクロイドと
コンビを組んでいたジョン・ベルーシが配役
される予定だったが、
1982年3月に、
薬物の過剰摂取によって、33歳の若さで急●。
代わりに、ベルーシ、エイクロイド同様、
コメディ集団セカンド・シティ出身の
ビル・マーレイが抜擢される。
さらに、イゴン・スペングラー博士役には、
やはり、セカンド・シティ出身の、
ハロルド・ライミス(共同脚本も担当)。
監督には、
「パラダイス・アーミー」(81年)で、
マーレイ、ライミスと組んで気心の知れていた
アイヴァン・ライトマンが登板する
こととなった...。
映画は全米年間興収2位を記録する
大ヒット。
ゴーストバスターズのメンバーの
コスチュームや装備、マシュマロマン
などユニークなゴーストのキャラクターが
アイコン的に、1人歩きする形となり、
TVアニメや、ゲーム、アミューズメント、
おもちゃといった多分野にまたがる
フランチャイズ展開で、80年代の大衆文化
全般に大きな足跡を残した...。
1980年に同じスタッフ、キャストで
制作された「ゴストバスターズ2」は、
前作ほどのヒットには、至らなかったが、
さらなる続編を期待する声は
根強く、
2008年になって、正式に
オリジナルメンバーが再結集した第3作
の制作が発表された。
しかし、準備を進めて
いた2014年、ハロルド・ライミスが
逝●し、企画は頓挫。
2000年代以降の
コメディ映画を、リードするポール・
フェイグ監督によって、リブード企画として、
再スタートを切り、主要メンバーを女性に
変更した新たな
「ゴストバスターズ」
(16年)として、復活。
ビル・マーレイや、
ダン・エンクロイドもカメオ出演した。
さらに、2021年には、
「ゴーストバスターズ2」からの直接的な続編となる
「ゴーストバスターズ/アフターライフ」が、
アイヴァン・ライトマンの実子である、
ジェイソン・ライトマン監督によって
制作され、ビル・マーレイらもオリジナルの
配役のまま出演を果たしている...。
備考:この内容は、
2022-3-19
発行:三栄
「世界中を熱狂させた
懐かしの大ヒット映画をプレイバック!
80's映画大解剖」
より紹介しました。