【セイコー、シチズン、カシオは、
世界市場で戦えるか...?】
再び時計の高級ブランドに戻れば、
この音韻のちから似サウド納得せざるを得ないだろう。
ブライトリング、パネライ、ヴァシュロン、
コンスタンチン、ジャガー、ルクルト、
パチック・フィリップ、ブレゲ...
女性だけでなく、
世界の男性の多くが、R/L音に、
魅了をされているのである...。
ところで、このラインアップに、
日本の時計メーカーが、入っていないことに、お気づきの
方もいるのではないだろうか?
3大ブランドである。セイコー、シチズン、そして、
カシオ。なんと、あろうことか、R/L音が、
どこにも見当たらないおだ。
しかし、その代わりに、
異なった特徴を有している。
「セイコー」も、「シチズン」も、
スピード感と機敏さを必要とする音である。
どちらも、口腔を狭くしたまま発音するが、
前者は、鮮烈な息の風が吹き渡る「セ」の後に、「イ」
とすぐさま口腔が狭く閉じられ、
直後に「コー」と硬く絞めた喉を破裂させて発音が
行われる。
後者は、息で上あごをこする「シ」に、
上前歯をこする「チ」、上前歯を
こすりつつ振動を起こす「ズ」が連続して起こり、
「ン」でまとめられる。
つまり、両者ともに、これが、
ネーミング全体に、スピーディーで機敏な印象を与えて
いる。
さらに、口腔を狭くした中で、
素早く機敏な動きが、次々と的確に粉割れるが、
結果、緻密さや、正確さ、誠実さを
彷彿とさせているのだ。
「カシオ」は、セイコーとシチズンに
比べれば、口腔が大きく使われる分、イメージの
上での緻密さには少々劣る。が、
スピードとキレのある「カシ」があり、やはり
前述の2つに続く、同じ種の印象をもつ。
そもそも、R/L音には、技巧的な
印象もある。
それは、すべての音韻中、最も舌を
技巧的に動かして、発音するためで、
これにより、時計のブランドに、この音が入っていると、
立体的な造形のイメージや
デコラティブな印象が浮きだつ。
だがその一方で、
わざとらしさや、これ見よがしな感じが
する音でもある...。
確かに、日本の時計メーカーは、
華やかなR/L音はない。しかし、音韻が醸し出す
印象は、緻密で正確な表情をよく
表している。
それは、モノづくり大国日本の、
器用で誠実な職人ワザを体現するものと
言えそうだ...。
備考:この内容は、
2011-5-20
発行:成美堂出版
監修:黒川伊保子
著者:完成リサーチネーミングラボ
「売れる!ネーミングの秘密」
より紹介しました。