発売以来、絶好調のセールスをキープ
その魅力は、身近な値段だけではない!
まだ、普及の途上にあるEVだが、日本で
最も売れているのが「日産サクラ」だ。
2022年6月に販売され、今年の7月には、
早くも累計の受注が、5万台を突破した。
なぜ、サクラは、そんなに人気なのか?
実際に、サクラを購入したEVのエキスパートである
自動車ジャーナリストのMさんが、その魅力を語る...。
【チャーム・ポイント①】
多くの人にとって、
必要にして充分といえる航続距離
サクラの充電素行距離
(WLTCモード)は、180km。
この設定は、軽ならば、1日の
走行距離が、50kmあれば、
ユーザーの85%以上をカバーできる。
という実態調査に基づいた
ものであるのだ...。
【チャーム・ポイント②】
軽自動車のレベルを超えた、
上質な仕立ての内外装。
EVについては、30年前に日本
EVクラブの活動を、始めた
ときから、手に入れることを考えていた。
1996年に、ダイハツからミゼット2
が発売になると、それを改造した
コンバートEVを、持っていたこともある。
当時の車載バッテリーは、
エンジン車などの補器用と同じ鉛酸
だったので、一充電走行距離は
30kmほどであった。
市販EVが、出回った
今日からすれば、まったく使い物に
ならない代物と、思うだろう。
だが、例えば、筑波学園都市のような、米国の
街を模したようなバスしか公共交通
機関のない町では、日常の足として
充分役立つ。
ここで、学んだのが、
他と比べて、良し悪しを語るのではなく、
その性能に見合った使い方で使う
という、人間の知恵の大切さだ。
初代リーフが、発売されたとき、
ずぐほしかった。ところが、前年に
補助金を利用してハイブリッド車を
購入していたので、何年かは、所持し
続けるシバリがあり、すぐに手放せず、
EV購入の機会を失った。
日産サクラ購入の決め手は、
多すぎないバッテリー容量、内外装の
造形の良さ、そして、軽自動車規格
なので、当然と言えるが、5ナンバー車
であることだ。
初代リーフでさえ、
3ナンバー車であった。税金など
含め、経済的負担は、5ナンバー車と
それほど差はないと、言われるが、国内で
日常的に使うのは、道路や駐車場の
幅を考えても、5ナンバー車が
最適と思っている。
サクラの車載バッテリー容量は
20kwhで、現行リーフ標準車種の半分
でしかない。
サクラの一充電走行
距離は、カタログ数値(WLTC)
180kmだ。
それでは、短すぎると
いう声が、大多数であろう。
そこで、問いたい。
「あなたは、毎日200km
以上、クルマで移動しているのか?」と。
都内に住む筆者は、首都圏など
日帰りできる程度の移動は、公共交通
機関を使う。関西方面や、北陸、
東北方面などの移動は、新幹線を使う。
そのほうが、二酸化炭素(Co2)排出量は
圧倒的に少ない...。
クルマでの外出はと言うと、
そうした公共交通の利用が不便なところ
への遠出である。しかし、往復でも
300km以上になるような移動の
機会はそう多くない、
ならば、一充電で、
180km走れば、目的地充電か、
経路充電を一度すれば、済んでしまう。
仕事をしたり、トイレ休憩して
いたりする前に、帰宅するだけの
充電が、できれば、何ら支障はない...。
備考:この内容は、
2023-12-9
発行:三栄
「モーターファン別冊2024年・
最新EVのすべて」
より紹介しました。