「宇宙では、あなたの悲鳴は、
誰にも聞こえない!」
公開から30年経っても、
色褪せない圧倒的映像力!
『エイリアン』(1979年)
貨物宇宙船が地球へ帰還途中、
謎の救難振動を受信し、未知の惑星に
着陸した。そこで奇妙な宇宙船を
発見し、その船内に巨大異星人の
●骸と、無数の卵を発見した...。
初公開時に劇場で鑑賞し、至福を
味わう事ができた数少ない1本
であり、この興奮は、『スター・ウォーズ』
(77年)や、『スーパーマン』(78年)を
超えるものだった。
名作とはいえ、
時代が経てば、その鮮度は必ず落ちて
くるものだが、『エイリアン』は違った。
製作から30年以上経過しても
色褪せないのは、圧倒的な超センスに
内包された映像に力を感じさせるから...。
シンプルな物語りながら、この大作
映画のベースになっているのが、
B級臭いが、アイデアに満ちた2本...
『恐怖の火星探検』(58年)と、
『バンパイアの惑星』(65年)である。
『エイリアン』の前半、宇宙船が
未知の惑星に着陸して、地球外生命体の
●骸を発見するくだりは、
『バンパイアの惑星』、後半にあたる地球に
帰還途中の宇宙船内での乗組員vs
エイリアンの攻防は、『恐怖の火星探検』から
インスパイアされたという。
しかし、そんな古臭い題材を、
芸術性あふれる
ゴシックホラーにまで高めた、
ビジュアル・センスは、H・R・
ギーガーやロン・コップら特異な
アーティストの才能と、それを映像に
定着させたリドリー・スコット監督の
手腕が大きいだろう...。
エイリアン・サーガから見れば、
女性航宙士リプリー(シガニー・
ウィーヴァー)とエイリアンの物語は
継続しているが、
あくまで、『エイリアン』は
独立した作品でも有り、
ビッグチャップ(エイリアンの成体)
は、唯一無二のもの。
2作目以降のエイリアン
ウォーリーとは異なり、崇高
なまでの邪悪性、または純粋悪=悪魔
のごとき存在だった...。
ギーガーのデザインの特徴とも言える
バイオメカニカルな形態は出色で、
半透明なフードに覆われた卑猥な形の
頭部は、とりわけ異彩を放つ。
そのフードに覆われたままの眼孔部、凶暴性を
感じさせる二重の顎など、この世の
ものとは思えなぬ形状をしていた。
さながら、古びた巨大貨物宇宙船
という ”古城” に現れた悪魔に
怯える慄く乗組員たちの姿は、SFの形を
借りたゴシックホラーと呼ぶに
ふさわしい...。
エイリアンに対抗するために
用いる武器が、SFらしい科学
兵器ではなく、アナログな火炎放射器
であるのも、中世風の”対悪魔”の
様相を感じさせてしまう...。
また、それまでのSF映画の
ほとんどのヒロインが、主人公の添え物
程度の存在や、色モンと見られていたが、
リプリーは、明らかに違った。
粗野な男性クルーと、対等に
渡り合い、会社側の陰謀をも
貪欲に探る、ような女だ。
その彼女が、
男性●のような頭部を持った
エイリアンと対峙する。
口からは●液のような粘液を
滴らせていることからも、
エイリアンは、男性社会のメタファー。
クライマックスで、下着姿のリプリーに
襲いかからんとする図式は、
男社会に虐げられてきた女性の縮図か...?
リプリーの姿は、同時期に製作された
女性の自立や、台頭を扱った映画
『結婚しない女』(78年)、
『クレイマー、クレイマー』(79年)など、
と共に語られることがある。
ゆえに、これだけ、
エイリアンとヒロインを密に
絡めながら、時代を投影したSF映画
はなかった...。
(鷲巣)
備考:この内容は、
2012-8-21
発行:洋泉社
「~異次元SF映画100~」
より紹介しました。
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【関連】
「エイリアン 2」(1986)
「エイリアン 3」(1992)
「エイリアン 4」(1997)
「エイリアン vs プレデター」(2004)
「AVP2 エイリアン vs プレデター」(2007)
「プロメテウス」(2012)
「エイリアン・コヴェナント」(2017)
ちゃん、ちゃん、
さぁ、今回も楽しんでいただけましたか?
それでは、次回まで、
さいなら、さいなら、さいなら~。
きゃは!
「淀川長治」さんか!
いや~、映画って本当に
面白いものですね。
きゃは!
「水野晴郎」さんか!
あの~、
おばちゃまは、
思うのよね...。
きゃは!
「小森のおばちゃま」か!
それでは、
ばいばい、バイナイ、ばいば~い!
きゃは!
「ゆっこチャンネル」か、
他にもいるでしょ!
うっ...!
それでは、
まとめて、
貼り付けておきますね。
きゃは!
こら、こらっ!