【座談会】
「乗ること自体がアドベンチュアー」
【迫力の外観】
Y原> お疲れさまでした。それにしても
アドベンチャーは、
大きなバイクでしたね?
N口> ライディングポジションは、
ちょっと大きめなくらい。アップ
ライトで楽だ。ただ、車体は、デカく
感じるねぇ。
俺の体格だと、ビッグオフに、
乗り慣れていて、体力、
気力が充実した人じゃないと、
嫌になるかもしれないね。
向いてない人が乗ると、
使い方が、すごく限られて
くる...。
Y原> たとえば?
N口> 朝早く、渋滞のない高速道路で
郊外に出て、地方の一般道を走る
といった形で、年に数回、泊まりの
ツーリングを楽しむとかね...?
それを、考えると、車両価格、
ランニングコストを考えると、
もったいないかな...?
Y原> たしかに、見た目は大きい。
30Lタンクは大きいし、サイドケースが
付くと、さらに迫力が増す。
視覚で圧倒されちゃうんですよね。
でも、実際に、またがってみると、意外に
足は着きやすいと思った。
ある程度の体格があれば、それほど
難しいことではない。
N口> R1150GSと比べれば、タンク
容量が8L大きくて、ちょっと、
シート高が、高いくらいだから、それほど
でもないんだよね。
精神的な面が、大きく影響してるのかも?
Y原> アドベンチャーは、サイドスタンドを
立てると、大きく車体が傾くでしょ?
だから、引き起こすのが重い。
もう少し、スタンドが起きていれば、
ずっと、またがりやすいし、車体も
軽く感じると思う...。
N口> まぁ、見た目の大きさを
楽しめる人が向いてるね。でなければ、
ロングスパンのツーリングが、楽しめるか
どうかだ。そうしないと、ビッグタンクも
生きてはこない。
Y原> R1150GSに比べれば、最初は、
ハンドリングが鈍く感じたんだけど、
サスペンションのプリロードを、
強くして不要な沈み込みを抑えた
だけで、ずっとシャープになった。
運動性能は、R1150と同等か、それ以上
かもしれない。
本来、R1150GSは、
ハイシートで設計されているワケだから、
ローシートだと、重心位置が
低くなりすぎるんしょうね。
N口> そりゃ、ハイシートの方が、
まとまっているはずだよ。ただ、
ドイツ本国のメーカーは、気にしない
かもしれないけれど、日本で売る側
にしてみれば、やはりシート高を
気にするよ。
Y原> でもね、アドベンチャーって
R1150GSの、スペシャルティーバージョン
じゃないですか?
逆に、乗り手を
選ぶぐらいのほうが趣味性が高くて、
魅力的なんじゃないかな?
昔と違って
今は、大型バイクに乗る免許が簡単に
取れ、その気になれば誰でもデカい
バイクに乗れる。
けれど、アドベンチャーだけは、
そうはいかないじゃないですか!?
そんなマニアックなバイクを乗りこなす
のは、じつに、面白そうですよね。
実際に、乗りこなせれば万能型だし、
よほどの悪癖でない限り行けちゃう。
険しい林道だと、ローのギヤ比が
高めなので、ちょっと苦しくなるが...、
N口> 本当の極低速での用途は、想定
していないようだけどね。
メーカー側が言うのは、大陸を横断するような
グローバルツーリング。まぁ、
そのうたい文句どおりにはデキている。
ただ、さっきも言ったように、ある
程度の条件がそろっていない人には、
薦められない。
Y原> いかにも、乗れなさそうな...。
でも、乗れてしまう意外性が楽しい
んですけどね。Uターンもしやすい
ですから。
扱いやすくは造ってある。
ただ、乗れていないとスゴく怖くで
しょうけど。
まぁ、乗ること自体が
アドベンチャーみたいなもの(笑)。
N口> こんなの造りました。乗れる
人は、乗ってみてください...。
っていうスタンスだよね。
Y原> '80年代の、レーサーレプリカ
時代の初期のように、こんな前傾の
キツいバイクが出来ました。
というのに、近いかも?
アレのデカい版かな?
少なくとも、バイク市場の
少数派を狙った乗り物でない
ことだけは確かかも...。
備考:この内容は、
平成14-9-15
発行:八重洲出版
「MOTOR CYCLIST」
より紹介しました。