とにかく、最近は、すごいのです。有名に
なるということは、こういうことかと、
50歳を過ぎて、私は、初めて知りました。
「ほら、歩いている、あの人。
テレビで見たことある。
ほらホラ、何とか、こうじ
きみまろ。でしょ? 何とかこうじ、
歩いている!」
「ほら、アレ。あの人、こないだ、
雑誌で見た。...
う~んと、たしか、
ウタマロ! ウタマロだよ。ウタマロ!
ウタマロ、水、飲んでる!」
「アッ、
きみまろだ。きみまろ!
きみまろ、立ち食いそば、食ってる。アッ、
卵、頼んだ。アッ、卵、崩した。グチャ
グチャにして食ってる」。
ずっと、見られています...。
そりゃあ、私だって歩くし、
水も飲みます。それに、私は、「綾小路
きみまろ」というんです。女子高生の皆様、
どうせなら、ちゃんと、覚えて
くださいね。
それに、何より、私は、立ち食いそばが
大好きなんです。特に、生卵入りが
好物なのです。いいでしょ、卵を崩して
食べたって! あなたに、何の迷惑を
かけたって、言うんですか!?
立ち食いそばは、潜伏しているころの
主食だったのです。昔は、地方によく行き
ました。
業界用語では、「営業」と、いいますが、
私の場合、地方の市民ホールや
文化劇場といった舞台に呼ばれることは
ほとんどなく、キャバレー、クラブ、
スナック、デパートの屋上、神社仏閣、
遊園地に地元のお祭りと、ありとあらゆる
ところが、仕事場でした...。
近場は、自分の車で、遠いところへは、
電車で行きましたが、夜行に乗っていく
こともありました。
朝、早く駅に着いた時、
私の憩いは、いっぱいのかけそば
でした。懐が、すこし温かいときは、そこに
卵をつる~っと、落として食べるのが、
唯一の贅沢でした...。
今でも、地方に、よく行きますが、ホテルや、
旅館で、豪華な食事を食べている時、
いっぱいのかけそばで、十分だと思うことが
よくあります。
人間、何を食べても、
「うまい」と思うのは一瞬ですから、腹に
入ってしまえば、変わらないのです...。
そういう私の楽しみである立ち食いそばを、
食べて、何か、文句がありますか?
ほっといてください!
これも、それも、あれも、有名になった証と、
心の片隅で、感謝しているのは、
本心です...。
でも、ちょっと不便なのも確か、何が
一番不便かって、ネタ探しが、
出来なくなりました!
潜伏期間中は、巣鴨や、浅草に出没しては、
中高年の皆さまの生態を観察して
いました。でも今、そんなことをすると、
「アッ、きみまろだ、写真一緒に撮ってぇ~」
と、奥様たちの、黄色い声が、
飛んで来ます。
もちろん、とてもうれしいのですが、
肝心のネタが、なかなか集められないのです。
いっそ、カツラを外して歩けば、
わからないのかも...?
なんて、思ったりもしますが、
そこまでの、勇気はありません。
でも、大丈夫です。あと数年もすれば、
きっと、私は、
「あの人はいま...?」の
コーナーに、出ているでしょう。つまり、
ネタ集めに精を出す時間ができて
いるのです...。
こんなことを、いつも考えている私は、
やっぱり、セレブじゃないんでしょうね...?
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【終わりに...】
今年は、世に言う2007年問題の年!
何か良いことが、あるのかな?と、思いきや、
いや、とんでもない!
団塊の世代が、2007年~2009年に、
一斉に定年を迎えるので、
ございます。暇を持て余した、若さと毛と、
行き場を失った60代が、一気に増殖され、
日本列島は、ジィジィ、バァバァのふれあい広場へと
変貌するのでございます...。
長いこと、妻や子どもたちのために、
ひたすら頑張りぬいたご主人様に、穏やかな
老後を送ってほしい! いや、2人だけの
生活をエンジョイしたいものだ!
と、心から願っている妻が、はたして何割くらい、
いるのでしょうか?
私の、個人的な見解ではありますが、
夫たちの心とは裏腹に、おそらく3割~4割の
妻たちが、新しい生活を求めて、
夫とは、まったく違う別の新天地での、人生の
次のステージを考えているのでは?
と、心配しているところでございます。
惚れた腫れたで、一緒になった2人が、
60歳を過ぎて、別々の人生を歩く。
まさか、こんな日が来るとは?
いずれにせよ、
「毎日が日曜日」
という気の遠くなるような
生活が、始まるのでございます...。
お互いに、そんな単調な日が流れるなか、
この本を読んでくださっている
あなた!
それとは、反対に、この問題には、まったく
無縁の中高年予備軍の方々!
お互いに、まだまだ先のことと、思いつつ、
過ごしていらっしゃるあなた!
どんなに時代が変わっても、必ずや
やって来るであろう
「定年」
という孤独なひびき...。
同じ時代に、生かされている、
この動かぬ事実。
ご縁があって、今日、この本を手にして
くださったあなたと、心の時間が共有できた
ことに、心から、慶びを感じる次第で
ございます...。
ご購読いただきまして、
ありがとうございました...。
2007年1月 綾小路きみまろ
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備考:この内容は、
2009-4-17
発行:PHP研究所
著者:綾小路きみまろ
「妻の口 一度貼りたいガムテープ」
より紹介しました。
(筆者の感想)
あの~、最近、
長文が多くて、
ランキングが、
伸び悩んでいます。
タイピングの指が痛い、
タイミングに、なってきました...。
大変、勉強になりました。
今後のオープニングに、
モーニングを食べながら、
プログラミングさせていただきます...。
ビニールが、伸び~るように、
「いいね」も、
「ランキング」も、
伸びるといいですね。
テヘペロ...。
ボジョレーヌーボーが解禁で、
乾杯したいところですが、
筆者は、いつも、完敗です。
きゃは!
Qちゃんのブログ・ギャグは、
読者の皆さんにとっては、
引き肉なのよ!
うっ...!
筆者は、
炊いた肉(タイタニック)なら、
わかるのですが...?