HONDA NR750~Le Mans 24hrs.~...その1 | Q太郎のブログ

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イベント告知】レーシングNRが世界初のエンジン始動!! ホンダ ...

 

 

 

【突然のル・マン24hrs.出場...】

 

 

 

 昭和61年秋のある日、HRCロードレース総監督でおなじみの

 

尾能取締役からR/C編集部へ電話が入った。

 

 

 

「編集長、来春のル・マン24hrs.耐久レーズへHRCのマシンで

 

出ませんか? もちろんプロのライダーとしてではなく、R/C

 

編集長の立場としてです。

 

 

 

全然、意思なし、というのであれば、これは

 

仕方ありませんが...」

 

 

 

クマさんらしく前置きのなしのストレートな

 

調子で、この前代未聞のプロジェクトが

 

切り出された。

 

 

 

 

「そりゃまぁ、興味がないわけではないですが...」と、その時点では

 

さっぱり状況がつかめないまま、イヤではない胸伝えると、

 

「電話では、その趣旨を含めて詳細を、お伝えできませんので、後日、HRCへ

 

ご来社ください。現時点で、他言は無用です」となった...。

 

 

 

 

 それから、まもなくしてHRC本社へ出向く。通された会議室には

 

6~7人のHRCスタッフ、尾能取締役、それに、カバーが

 

かけられたレーシングマシンが1台

 

運び込まれていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバルピストンNR750の衝撃だったポテンシャル Part1【この ...

 

 

 「今回、ル・マンへ出場しようというのは、このマシンです」

 

スタッフの手で、まるでベールを剥ぐようにシートカバーが

 

 

取り除かれる。姿を表したのは

 

ロスマンズ・カラーの

 

RVF750。

 

 

 

白地にゼッケン①は、J・ダンロップ選手の...

 

 

 

 

「話が進まないからカウル外して」クマさんの指示が飛ぶ。

 

 

 

ストリップ状態になったマシンのツインチューブフレームに、

 

収まったエンジンは...NR!?

 

 

 

 

 ’79シーズンから'82シーズンにNS500が登場するまでの間、

 

ホンダが、4ストロークVで、世界GP500ccクラスへチャレンジ

 

した、オーバル(長円)ピストン・気筒あたり8バルブ計32バルブで

 

20,000rpm以上常用という超高回転のあのNR500。

 

 

 

読者諸兄にも、いまさら説明を要さないと思う。圧倒的優勢の2ストローク

 

勢に肩を並べるには、さらに時間が必要と、世界GPから

 

一時、身を引いたものの、研究開発は続行してゆく胸が伝えられて

 

いたNRだったが、確かに、ここにこうして健在ではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 横に長いカムカバー、Vバンク間に8本のキャブレター・

 

エアファンネル、プラグコードも8本、湿式クラッチになって

 

下まわりが大柄な印象を与えるが、砂型の地肌で包まれた

 

プロトタイプエンジンはNRに間違いない...。

 

 

 

 

 

「とうわけでして」コトの重大性を、こちらが察知するまでの

 

間を待って、ようやくNR750のル・マン24hrs.耐久レース出場

 

プロジェクトの概要の説明に入る...。

 

 

 

 

 

 

 NR500は、その後も、研究開発が進められていた。しかし、現在の

 

2ストローク勢による世界GP500クラスは、NR500がステップアップ

 

するごとに、それからさらに逃げるかのように、さらにパワーアップ

 

が進み(同じHRCにNSR500があるのだからその実情は

 

100%掴んでいるわけだ)戦列復帰の見通しが立たない。

 

 

 

 

ところが、レースに出ない研究開発は、

 

実際性を薄めてしまう危険性がある。やはりレースで鍛えられてこそ、

 

将来へのノウハウが積み上げられるわけで、何としてでも

 

レースに出たい。

 

 

 

 それに、この新しいシステムの

 

エンジンに莫大な開発コストをかけてきたのも、ホンダとして

 

いずれは、実用化へのフィードバックを前提としているからで、

 

このままでは、それも先送りとなるばかりだ。

 

 

 

 こうした状況を打開するために、NRの出場できる世界GP

 

以外のレースを検討した結果、'87年のル・マン24hrs.

 

耐久レースが選ばれたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバルピストンNR750の衝撃だったポテンシャル Part3【この ...

 

 

 

 ご存知のように、耐久レースの本場フランスでは、

 

春にル・マン、秋にボルドールと、年2回24hrs.

 

耐久ビッグイベントが開催され、世界選手権耐久シリーズの

 

フランス・ラウンドは、毎年交代で、どちらか受け持つことに

 

なっている。

 

 

 

 

 そして、世界選手権のタイトルが、かからない方の

 

イベントには、ホモロゲーションのいらないエクスペリメンタル・

 

クラスが設定されているのだ。

 

 

 

 

 '87年のル・マンは、そのノンタイトルの番である。

 

NRの出場を受け付けてくれるはず。となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NRの500ccを超えたエンジンも可能性ということで、

 

すでに存在している。そして8月には、コンプリートマシン

 

として、は、プロトタイプとなるこのNR750の'86モデルが

 

完成し、さてそのライダーは、と具体的なところへきたのである...。

 

 

 

 

 

「このNRプロジェクトも耐久レース出場という新たな段階を

 

迎えられたわけですが、耐久レースを選んだ意味の中には同時に

 

このNRを多くに人たちに受け入れてもらう時期にあるという

 

位置づけも含まれている、そのパフォーマンスを見せつけよう

 

というのなら、量産車ベースのレースですから、そこへこのNRを

 

持ち込めば、パワーの差は歴然とする。

 

 

 

 

 トップライダーを起用すれば、他を圧倒するでしょう。

 

ただ、それでは、NR500の世界GP時代の

 

イメージの延長になってしまうだけで...」

 

 

 

 

 「それに、我々も24hrs.レースの厳しさを知っている1人です。

 

24hrs.の完走は、大変な重みがある。NRにとっても、まずは、

 

完走を目標に考えなければならない。GPライダーを乗せれば、

 

すべてが解決とは、限りません」

 

 

 

 

 そこで、ジャーナリスト・ライダーを加えたチームを編成という

 

構想が浮上したのだという。24hrs.耐久レースを通じて、

 

NRを理解してもらい、NRの何たるかを広くファンに伝えてくれれば、

 

今回のル・マン24hrs.耐久レース出場の意味するところと、

 

よく馴染むというのである...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバルピストンNR750の衝撃だったポテンシャル Part3【この ...

 

 

 

 フランスで開催されるので、敬意を評して1人は、フランスのジャーナリスト、

 

そして、大きなマーケットである、我が日本から1人。

 

もう1人は、未定ということで、

 

ここに呼ばれているとのこと。やっと納得、である。

 

 

 

「やらせていただきます」期待と不安でいっぱいのまま、そう返答

 

申し上げる。...

 

 

 

 

これは、大変なことになったぞ...。

 

 

 

 

備考:この内容は、

昭和62-7-1

発行:枻出版社

「RIDERS CLUB」

より紹介しました。