宇宙戦艦ヤマトは、どうやって重力を作り出しているのか?...その7(最終回) | Q太郎のブログ

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 したがって、もともと質量の軽い

 

物体を、何らかの方法で重くするシステムを

 

考えなければならない。これが

 

残された方法だ。

 

 

 

 

 アインシュタインの相対性理論の中では、

 

物体が光速で運動すると、質量が

 

大きくなったのと同じ効果を、静止して

 

いる別の物体に対して、もたらすことが

 

示されている。

 

 

 

 

たとえば、光の速度の99%で

 

運動する物体は、静止している物体に

 

対して、7.1倍の質量を持っている

 

物体として働くのだ。この原理を応用すれば、

 

物体の質量を調節できることになる。

 

 

 

 

 具体的には、宇宙戦艦ヤマトの艦底の近くで、

 

巨大な車輪を、とてつもない速さで

 

回転させればいい。

 

 

 

 

 直径2mの鉄の円柱で、直径200mの

 

リングを作ったとしよう。100m

 

離れた空間に、地上の重力と同じ重力を

 

作り出すためには、このリングを、光速の

 

99.999999999999994%で

 

回転させればよい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙戦艦ヤマト メンバー に対する画像結果

 

 

 

 ただし、艦内だけに重力が働くのではない。

 

ヤマト全体も、地上と同じ重力で

 

この重力発生装置に引っ張られるのだ。

 

のほほんと、一緒に飛んでいたのでは、

 

引っ張られて衝突してしまう。

 

 

 

しかも、リングは、超高速で回転している。

 

回転ヤスリのようなものなのだ。

 

ちょっとでも触れたが最後、

 

6万5000tの船体は

 

瞬間的に火花になって砕け、宇宙の塵に

 

なってしまうだろう...

 

 

 

 

 

 

 したがって、重力発生装置を稼働

 

させている間は、地球上で空中に静止する

 

のと同じ出力で、エンジンを噴射しなければ

 

ならない。

 

 

 

 

空中停止には、協力な推進力を

 

必要とする。艦底から下向きに噴射する

 

垂直上昇エンジンを常時全開すること

 

になるが、そうしている限り主力エンジンの

 

出力は相当制限される。加速する

 

のにも支障をきたすだろう...。

 

 

 

 

 

 よって、効率の面から考えれば、加速も

 

人工重力への対抗にも、主力エンジンを

 

兼用すべきである。すると、

 

このリングは、ヤマトの艦尾後方に位置し、

 

後ろから、キリモミ回転をしながら、追いかけて

 

くることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 通常の宇宙空間飛行では、目標の速度

 

に到達したら、あとは推進力をかけなくても

 

一定の速度で飛び続けることができる。

 

 

 

このため、一度宇宙空間に出てしまえば、

 

少ない燃料で遠くまで移動できるのだ。

 

しかも、この体勢では、そのメリットがない。

 

燃料が、いくらあっても、

 

足りないのである。

 

 

 

 

 

 重力発生装置が動いている限り、

 

エンジンを止めることは許されない。推進力が

 

少しでも落ちたら、回転ヤスリに尻を

 

削られることになる。

 

 

 

 波動砲を撃つこと

 

など、考えただけでも恐ろしい。ヤマト

 

にとって、最大の敵はガミラスではなく、

 

この重力発生装置ではないか...?

 

 

 

 

 

 しかも、こんな怖い目に遭いながら、

 

まともな重力を得られるのは、艦尾の

 

壁の部分だけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これまでに検証した

 

どの方法よりも居住区は狭い。人口密度は

 

極限に達する。ただでさえ圧迫感に

 

さいなまれる宇宙空間で、この精神的肉体的

 

苦痛。正常でいられるほうが異常だ...。

 

 

 

 

 

 物語では描かれなかったが、宇宙戦艦

 

ヤマトはこうした、迫りくる重力発生

 

装置の恐怖、および、超劣悪な住環境と戦いながら、

 

ガミラス皇王を相手にし、しかも、

 

29万6000光年の旅を、なし遂げたのである。

 

たぶん。

 

 

 

彼らの苦悩と、それを

 

乗り越えた勇気に、筆者は

 

涙を禁じえない...。

 

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

2018-11-30

発行:KADOKAWA

著者:柳田理科雄

「空想科学読本 1」

より紹介しました。