時刻表の「さくいん地図」を見ていると、
JRの線路には、「○○本線」と名付けられた
ものと、ただの「○○線」が、
存在することに気づかれたでしょうか...?
一部の例外はあるものの、「本線」といえば、
幹になる幹線であり、支線は、本線から分岐
する枝線となる。
JR東日本管内の東海道本線を見てみると、
支線として山手線、鶴見線、武蔵野線、南武線、
横浜線、根岸線、横須賀線、相模線、伊東線
などが存在する。そして、これらの世帯の総称が
「東海道線」ということだ...。
わかりやすいえば、「東海道線一家」の親分が、
「東海道本線」であり、その子分が「山手線」
以下の支線郡となる。
当然、他のJRの線路郡も「本線」と
「支線」により「一家」を構成している。
ところが、支線を1つも、
持たない本線が存在する。
北海道の宗谷本線、石北本線、釧網本線、
留萌本線、室蘭本線、日高本線、岐阜県・富山県
を走る高山本線、九州の九大本線、豊肥本線である。
例えば「宗谷線一家」は、親分の「宗谷本線」
1人だけで、守っているというわけだ。
かつて、宗谷本線には、大北線や、美幸線などの、
立派(?)な子分がいた。
もう、お気づきのことだと思う。そう、
「国鉄再建法」により、子分である多くのローカル線が、
廃線あるいは、第3セクター化されてしまった結果、
1人ぼっちの親分となってしまった
わけだ...。
出入り続きで、多くの子分を○なせてしまい、
1人で一家を、切り盛りしなければならなく
なった、8○3の親分といった趣である。
支線がないのに、本線を名乗るのも、本末転倒
と言えそうだが、線路名称というものは、
そう簡単には、改められないようだ。
ただ、日高本線などは、現地で「日高線」と
呼ばれることも多く、旅客案内状の表記も
「日高本線」と「日高線」が、混用されている。
いずれは、「線路名称」上でも、名ばかりの
本線は、整理の対象となるかもしれない。なお、
「事業基本計画」の「営業線名」では、「○○本線」の
表記は無く、すべて「○○線」で、
統一している...。
備考:この内容は、
2009-11-30
発行:KKベストセラーズ
「つい誰かに教えたくなる鉄道雑学」
より紹介しました。