80年代に入ると、『未知との
遭遇』の開拓した友達路線
が活躍。『E.T.』(82年)の
登場で、いよいよ友好ムードが
決定的となった。
以降、現在(2012年)に至るまで、
『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』
(84年)、『スターマン/
愛・地球はるかに』(84年)、
『エクスプローラーズ』(85年)、
『コクーン』(85年)、
『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』
(86年)、『ニューヨーク
東8番街の奇跡』(87年)
と、なかよしごっこが蔓延。
状況は、さらに深刻化し、
『エイリアン・ネイション』(88年)での
宇宙人は、もはや、単なる
移民だし、『メン・イン・ブラック』
(97年)や、『第9地区』
(09年)に、至っては、不法就労者
扱いである...。
真に恐ろしかったのは、『遊星からの物体X』
(82年)、『ゼイリブ』(88年)、
『ゴースト・オブ・マーズ』
(01年)の、ジョン・カーペンター
組くらいか...?
時たま、訪れる侵略者たちも、
一見、強そうに見えて、実は...、
という見掛け倒しの連中
ばかりだ。
『インディペンデンス・デイ』(09年)の
宇宙人は、
服を脱がせば、パンチ一発で倒せる虚弱体質、
『バトル・シップ』(12年)で、ハワイに来た奴らも同様。
『サイン』(02年)の宇宙人は、海が怖いと怯えた上に、
バットで殴られて絶命。
『ドリーム・キャッチャー』(03年)は、
宇宙人同士で、勝手に
争いだすし、いざとなれば、
足で踏みつぶせる程度の
存在だった...。
とはいうものの、万一の
リスクは、完全に拭えない、
やはり相手をするなら、最弱な
ヤツにしておくべきだろう...。
歴代の宇宙人たちの中から、誰に
でも勝てる! というオススメは、
『ザ・ダーク』(79年)
の、薄汚れた宇宙人に尽きる。
一見、というか、どう見ても
ホームレスにしか見えないが、
突如、目からビームを発射する
危なっかしいヤツ。が、偶然
身体にビームが引火して、そのまま
燃え尽きるという、信じ
がたい○に方をしている...。
そもそもは、単なる猟奇ホラーと
して撮影していたものの、
都合により、急きょ、宇宙人ものに変更
になったという、いわく付きの
映画。その出自のダメさも
考慮して、こいつを、最弱宇宙人
と認定したい...。
備考:この内容は、
2012-8-21
発行:洋泉社
「洋泉MOOK 映画秘宝EX・
映画の必修科目03
~異次元SF映画100~」
より紹介しました。