星新一「博士とロボット」... | Q太郎のブログ

Q太郎のブログ

パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥

ロボット関係者が好きな、最新ロボット映画3本 | RoboNews

 

 

「博士とロボット」

 

 

 

 エフ博士は、宇宙船に乗って、星から星へと、

 

旅を続けていた。ただ、見物して

 

回っているのではなかった。文明の遅れている

 

住民の、住む星を見つけると、そこに

 

着陸し、様々な分野の指導を

 

するのが目的なのだ...。

 

 

 

 ちょっと、考えると、大変な仕事だが、

 

どこの星でも、一応の成果を上げていた...。

 

それは、博士が自分で完成した、よく働く

 

ロボットを1人、一緒に連れていた

 

からだ。大型で、見たところは、あまり、

 

スマートとは言えない。しかし、力は強く、

 

何でも出来た。また、たいていのことは、

 

知っていたし、言葉も喋れる。

 

 

 

 

「さて、今度は、あの星に降りよう。

 

望遠鏡で眺めると、ここの住民は、私たちの

 

手伝いを、必要として、いそうだぞ...」

 

 

 

 と、博士は、窓の外を指差した。操縦席の

 

ロボットは、いつものように、忠実に

 

答えた...。

 

 

 

 

 

 

 

2022年8月公開!二宮和也さん主演映画『TANG タング』最新 ...

 

 

 

『はい。ご命令通りに、致します』

 

 

 

 宇宙船は、その星へと、着陸した。住民たちの

 

生活は、ずいぶん原始的だった。

 

毛皮をまとい、ほらANAに住み、ちょうど、昔の

 

地球のようだったのだ...。

 

 

 

 ここでもまた、住民たちと仲良くなるまでが、

 

ひと苦労だった。最初のうちは、

 

石をぶつけられたりした。しかし、ロボットは、

 

平気だったし、その後ろに隠れれば、

 

博士も安全だった。やがて、こちらに敵意の

 

ないことが、相手に通じ、住民たちの言葉が

 

いくらかわかり始めると、仕事は、

 

急速に、はかどっていった...。

 

 

 

 

 博士は、ロボットに命令し、地面を耕やし、

 

種を蒔き、畑の見本を作らせた。また、

 

川のふちに水車を作らせ、その利用法を

 

示した。どれも、ロボットにとっては、簡単な

 

作業だったが、住民たちは、目を丸くして驚き、

 

大喜びだった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャパン・ロボット : 作品情報 - 映画.com

 

 

 

 さらに、動物を捕まえるワナの作り方、

 

家の建て方、食料の貯蔵法、病気の防ぎ方

 

などを教えさせた。ロボットの頭の中には、

 

様々各種の知識が、詰め込まれているので、

 

何でも教えることが、出来るのだ...。

 

 

 

 

 

 エフ博士の役目は、次には、どんな命令を

 

出したらいいのか、考えることだった。

 

あとは、時々ロボットに油を差し、エネルギー

 

を補給し、外側を磨いてやるぐらいでいい...。

 

 

 

 こうして、しばらくの時が経った...。

 

ロボットが、休みなく働いてくれたおかげで、

 

住民たちの生活は、ずっと良くなった。住民たちは、

 

争うこともしなくなり、勉強することを

 

知り、学んだ知識を、別な者に伝える

 

ようになった...。この様子を見て、博士は、

 

言った...。

 

 

 

 

「さて、文明も順調に、発展し始めたようだ。

 

これからは、自分たちで、力を合わせて

 

やるだろう。そろそろ、ここを出発し、

 

別の星を、目指すとしようか?」

 

 

 

『はい。そう致しましょう...』

 

 

 

ロボットは答え、その準備に、取り掛かった...。

 

 

 

 その出発の日、聞き伝えて集まった住民

 

たちは、口ぐちに、お礼の言葉を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猿の惑星』新作映画、前3部作の続編でないことが判明 ...

 

 

 

「おかげさまで、私たちは、以前に比べ、

 

見違えるように向上しました。ご恩は、

 

忘れません。この感謝の気持ちを、いつまでも、

 

忘れないようにと、記念の像を

 

作りました。お帰りになる前に、ぜひ、ご覧に

 

なって下さい」

 

 

 

 博士は、うれしそうだった...。

 

 

 

「そんなにまで、感動していただけるとは、

 

ここの仕事も、やりがいがあったと

 

言えます。喜んで、拝見致しましょう。」

 

 

 

 住民たちに案内されて、博士とロボットは、

 

ついて行った。そして、丘の上に建てられて

 

いる大きな石の像を見た。心をこめて

 

作られたもので、花で美しく飾られている。

 

 

 

 しかし、それは、エフ博士の像ではなく、

 

ロボットの像だった。住民たちが、尊敬した

 

のは、ロボットの方だったのだ...。

 

 

 

 

「うっ...! 

 

これは...、

 

ぴえん、

 

どゆこと?」

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、令和3-3-30

発行:(株)KADOKAWA

著者:星新一

「きまぐれロボット」

より紹介しました。

一部、若干、

盛っておきましたことを、

お詫びします...。