”「おいで」と「待て」を上手くしつけるコツ...”
名前を読んで「おいで」と指示したら、
すぐに飼い主のところへ来るように
しつけることも大切です。飼い主の指示で
戻って来ないようなら、たとえ
ドッグランに連れて行っても、
リードを離し、自由に出来ません。
声をかけたら、何をおいても、まず、
飼い主のところへ来させる「おいで」は、
飼い主をリーダーとして認め、一番大切な
存在であることを教える訓練である。
これが、出来なければ、飼い主のほかの、
指示も守ることが、難しく
なるでしょう...。
「おいで」を、教えるときは、リードを
使うといいようです。伸縮性のある
リード、あるいは、長めのリードを用意し、
イヌが、飼い主から自然と離れていくのを
待ちます。さりげなく飼い主の方から、
遠ざかっても構いません。
ある程度、距離が開いたら、「おいで」と
言って呼びます。こと時、リードを
緩やかに、たぐり寄せます。飼い主の
足元までやってきたら、ご褒美を
あげて褒めましょう。「おいで」と、
声をかける時、飼い主は、
嬉しそうな表情で、
明るく声かけする
ようにしてください。
徐々に離れる距離を伸ばしていき、
きちんと戻って来るようになったら、
リードを、外してチャレンジして
みましょう。
ただし、野外では、リードをつける
のが、飼い主のマナーです。いくら
訓練だからといって、公園などで、むやみに
リードを外しては、いけません。
リードを、外して訓練するときは、ドッグランなど、
さしつかえのない場所を、選ぶようにしてください。
最初は、向かい合って「おすわり」を
させます。手に持ったおやつを
見せながら、飼い主が「おいで」と、
言いながら、少しずつ後ろに
下がります。
イヌは、動くものを、
追いかける習性があります。
これを、利用する方法です。
寄ってきても、
すぐに、ご褒美をあげず、
まず「おすわり」をさせ、
きちんと、できたら、
褒めましょう。徐々に、
距離を伸ばしながら
訓練していきます...。
順調に、できるようになったら、
ご褒美をあげる回数を、
すこしずつ減らして
みます。おやつが無くても、
褒められるだけで、
来るように訓練するのです。
ただし、「おいで」の訓練は、
続けて何度も、やらない方がいいようです。
何度も、何度も呼ばれるよりも、
時々、呼ばれる方が、印象的だからです。
ただ、遊びに夢中になっているときは、
飼い主の声も、聞こえないことが
あります。そんな時に、
無理やり呼び戻しても、
不快感を募らせるだけです。
人間だって、楽しく遊んでいるのに、
強引に引き戻されたら、嫌な気分に
なりますよね? イヌも同じなのです。
無理に呼び寄せると、
「おいで」が、嫌なことと
覚えてしまいますから、
気を付けましょう...。
遊びに熱中しているときは、
しばらく様子を観ましょう。
どんなに熱中していても、
ふっと我に帰るときが、あるはず。
その瞬間をねらって、「おいで」と
声をかけてみると、効果的です。
また、普段から名前を呼ぶと、
いいことが、あると教えておけば、
「おいで」」と、声をかける前に、
名前を呼ぶだけで、飼い主の
ほうを振り向くはずです。
気をつけたいのが、「おいで」と
呼んだ後に、イヌが嫌がることをしない
という点です。たとえば、獣医に
連れて行くとき、「おいで」と
言って呼び寄せては
いけません。多くのイヌが、
獣医に行くのを嫌がります。
そこへ行くと、痛くて
不快な思いをするのを、
覚えているためです。
「おいで」と呼ばれたから
行ったのに、嫌な思いをさせられてしまうと、
「おいで」に、いい印象を持たないのです。
「おいで」の声を掛けたら、楽しい
こと、うれしいことがあるように、
仕向けるのがコツです...。
「おいで」と同様に、
しつけで欠かせないのが「待て」です。
「待て」は、行動にストップをかける命令です。
突然、駆け出すといった問題行動を、
起こそうとしたとき、「待て」と
言って興奮を静めます。
さらに、飼い主の許可が出る
まで、じっと待つことで、
飼い主への服従心も養います。
「待て」を教えるときは、
まず室内から始めましょう。
「おすわり」をさせ、
イヌと向き合います。
飼い主は、手に持った
おやつを見せます。おやつの
ほかに、好きなオモチャでも
構いません...。
おやつやオモチャに注目したら、
「待て」と、イヌの顔の前に、反対の手のひら
を突き出します。
「ストップ」という
ジェスチャーを、イヌの目の前で
やるのです。おやつやオモチャに、
興味津々でも、急に出された
「待て」のジェスチャーで、
しばらくは、じっとするはずで、
動かないでじっとしたら、飼い主の
方から、近づいて行って褒めてやり、
ご褒美を与えます。
イヌが、もぞもぞ動き出す
前に、素早くごほうびを、
あげるのがポイントです...。
もしも、待ちきれずに、動いてしまったら、
「おすわり」から、やり直します。
最初は、すぐ目の前に立って訓練しますが、
そこから徐々に、距離も、待つ時間も
伸ばしていきます。
室内で、出来るようになったら、
気が散りやすい屋外でも、訓練
しましょう。イヌが、じっと待って
いる間は、飼い主が、
やさしい言葉で
褒めることも大事です...。
備考:この内容は、
2011-7-27
発行:PHP研究所
著者:わんこ友の会
「しぐさで」わかる”イヌの気持ち”」
より紹介しました。