エンジンが熱くなり過ぎるのが「オーバーヒート」、
また、逆に冷え過ぎるのが「オーバークール」という...。
このどちらも、エンジンにとっては、
具合の悪いものだ。
これを防ぐために冷却水の水温を、一定に保つ
ことによって、エンジンを、常にちょうどよい温度に
コントロールするのが、サーモスタットの役目
である。
サーモスタットは、水温が下がると閉じ、
上がると開く仕掛けになっている。
つまり、朝、エンジンを
スタートさせたときには、閉じていて、冷却水を
循環させず、エンジンのシリンダー周辺の水が早く
温まるようにし、また、今度は、そこの水が熱くなり
過ぎたら開いて、ラジエーターへ水を循環させ、
エンジン温度を下げるようにしているわけだ...。
ところが、何かの原因で、サーモスタットが故障
して、開きっぱなしになると、エンジン始動時から
冷たい水が循環してしまうため、なかなか水温が上がらず、
したがって、エンジンのウォーミングアップに長い
時間がかかることになる。
冬の寒い朝に、15分ばかり走って、
まだ水温計の針が上がり始めない
というようなときは、サーモスタットの開きっぱなしに
よる、ウォーミングアップ不良であると、
考えてよいだろう...。
これは、すぐ修理屋へもっていかねばならない
ほどの故障ではないが、朝エンジンが始動しにくく、
しかも、長いウォーミングアップのため、燃料が、かさむから、
できるだけ、早くサーモスタットの点検交換を
するに越したことはない....
備考:この内容は、
昭和55-3-10
発行:ごま書房
著者:樋口健治
「GOMA&BOOKS・
クルマとつきあう法 1」
より紹介しました。