【症状】
街中で渋滞に遭ったり、長い坂道などで、
連続走行をしたりすると、次のような症状が現れてくる。
① あまり急坂でもないのに、スピードが弱まり、
アクセルを踏んでも反応が鈍い。
② やがて「カリカリ」という
ノッキング音が出てくる。
③ 水温計の針が、高温側 レッドゾーンを指す。
④ 時には、チャージランプが、
つきっぱなしになる。
⑤ さらにひどくなると、
エンジンから蒸気が吹き出す。
【原因】
もっとも多いのは、ラジエーターとファン
ベルトの故障だ。
前者では冷却水不足、水漏れ、
後者では、ゆるみや切れだ。
とくにチャージランプが点灯するのは、
ファンベルト切れの典型的例。
この他には、燃料計、点火系の故障が考えられる。
【応急処置】
車を安全な場所にとめ、ボンネットを
開けて20分くらい、チョークを引き気味に
エンジン回転を、アイドリングより多少高めにしておく。
エンジンを止めないのがコツ。このあと、ラジエーターの
キャップを外して冷却水の状態を調べ、
不足していたら、水道水などを使う。
キャップを回す際、ヤケドしないよう、
キャップの上に古布類(ぞうきん・ウエス)などを広げ、
まず、一段だけゆるめ、蒸気圧の勢いが弱ってから
第2段までゆるめ、そっと外すと良い。
そして、水を切らさないように、時々点検して走れば、多少の
距離なら大丈夫である。ファンベルト切れをはじめとする
他の原因の突き止め方と対策は、
また、後日...。
備考:この内容は、
昭和55-3-10
発行:ごま書房
著者:樋口健治
「クルマとつきあう法 1」
より紹介しました。